26.デートするのに前夜祭て ページ26
***
それから6日が経った。
時刻は夜の10時を指していた。
お風呂から出て髪の毛を拭きながらキッチンへ飲み物を取りに行くと、ソファーからバレーボールが上がったり下がったり。
こちらからは背もたれに隠れて見えないけど、ソファーで寝転がってパス練?みたいなのをしてるのは大体侑くんだったりする。
「侑くん」
「おおっ!?」
「あはは、何してるの」
ひょい、と覗き込むとびっくりしたのか、ボールを顔に激突させる彼。
急にボールと喧嘩したみたいでつい笑ってしまった。かわいい。
「お、お姉ちゃん」
「冷蔵庫にあるコーラ誰の?飲んでいいやつ?」
「んー…父ちゃんはコーラ飲まんし、買ってきたのお母さんちゃう?」
「じゃあいいや」
ごめんね、びっくりさせて。と額に軽く触れてキッチンへ戻ろうとした。否、出来なかった。
腕を掴まれてソファーの方へ引っ張られる。
「んっ!?」
重力に従って引き寄せられた私は、侑くんの腕の中にいた。
ハグだ。
いくら大抵のことは甘やかしてへらへら許してしまう私でも、抱き締められたら驚くし、何より照れる。
「ああ、あ、侑く、ん?」
「……明日、楽しみやねぇ」
「う、うん、楽しみ、だね…」
「なんでそんなビクビクしとるん?取って食ったりせぇへんよ」
優しく耳元で話す侑くん。
お風呂上がりの身体なのに彼の体温は全身に感じられて熱い。
固まった私の背中をぽんぽんしてくれているが、そんなものでリラックスできる状況じゃない。
「し、しぬ」
「ずっと待っとったよ、明日。楽しみにしてた」
「それは光栄です……ところで、侑く」
「今日は一緒に寝よか」
「待っ、ええええええ!?何!?」
姫抱きされた私は侑くんの部屋にねじ込まれそうになったけど、何とか降ろしてもらい自分の部屋で寝ました。
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作者名:- | 作成日時:2020年3月13日 22時