犬＊２０３話＊ ページ13
顔を押さえて震えるランマルをそっと抱きしめた。
その体が冷たいことに、彼らが人形だと証明しているようで少し泣きたくなった。
「･･･？A･･･？」
『大丈夫、落ち着いて』
「っでも、おれ、」
『何があっても私が傍にいるから』
人形だって事実は変わらないし、これでランマルがああそうかと納得するわけがないことは分かってる。
だけど、何もせずただ黙っているのは嫌だった。
とにかく彼を少しでも安心させたかった。
『それに人形は泣かないよ。人形だって事実に傷ついたりしない。ランマルは人間だよ』
「･･･A･･･」
ランマルは震えながらも抱きしめ返してくれた。
その様子に、恵梨香ちゃんは嬉しそうに目を細めた。
「･･･ありがとう、A」
『どういたしまして。じゃあ行こうか』
「ああ････」
ランマルの表情が少し柔らかくなった気がする。
････私、サラちゃんみたいに誰かの役に立ててる。
そう思うと胸がきゅっと締め付けられた。
私みたいな人間でも･･･ちゃんと人に希望を持たせられるんだ。
ケイジさんが知ったら、喜んでくれるだろうか。
よくやったねと頭を撫でてくれるだろうか。
想像して緩む頬を叩く。
ダメだ、今はケイジさんを助けることに集中しないと。
私は急いで部屋を出た。
「･･････」
私を見つめるランマルの瞳が淀んでいることに気付けないまま。
.
.
墓地に着いてからヒナコちゃんに事情を話した。
すると目を丸くしながらも「どうして」と言いたげな表情を浮かべる。
「ねぇ･･･ヒナコちゃん、クルマダくん･･･。やっぱりサラちゃん達と仲直りしようよ･･･」
「冗談じゃない･･･！それでどうやって生き残るつもり？生存者もダミーズも生き残る方法があるなら言ってよ！！」
「じゃあ･･･殺せるの･･･？」
アンズさんの言葉にクルマダさんが眉を顰めた。
「私は殺せない･･･！殺せないよ･･･こんなに優しいみんなを･･･！！」
「･･･！」
「･･･それでも無理。一方的に差し伸べられた手なんか掴めない･･･！」
「それって･･･」
マイさんが少しだけ目を輝かせる。
ヒナコちゃんはしばらく黙っていたけど、覚悟したように口を開いた。
「････ＩＤカード」
『え？』
「ＩＤカードがあれば、セキュリティをもう一つ解除できるかもしれない」
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にこみうどん - っっっはぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！最高すぎるではないですか！どうしたらこんな最高な小説かけるんでしょう。最高ですね。更新頑張ってくださいね！ (6月17日 17時) (
レス) @page39 id: d8578c819c (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - この作品大好きです！！応援してます！頑張って下さい！！ (6月13日 1時) (レス) @page39 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - とても素晴らしい作品ですー！！是非とも最後見たいので更新待ってますｯｯ (2023年4月1日 3時) (レス) @page37 id: adc5e1c6e8 (このIDを非表示/違反報告)
雫。(プロフ) - ここまで一気見してきました！とても面白かったです！更新待ってます！ (2022年12月31日 22時) (レス) @page33 id: 221078456e (このIDを非表示/違反報告)
天弥(プロフ) - めっちゃ面白いです！無理しない程度に更新頑張ってください！ (2022年4月24日 16時) (レス) id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかづち
| 作成日時：2021年8月18日 16時
