犬*179話* ページ37
ランマルSIDE
「A、一緒に行動しねぇか?」
エリカと話していたAに声をかける。
Aは「私はいいけど・・・」とサラとエリカを見た。
「私も構わないわよ。Aのやりたいようにやればいいわ。サラさんは?」
「別に嫌というわけではないが・・・ペアで行動しようと言い出したのはランマルだろう?どうしたんだ?」
「あー、いや・・・サラは会ったばっかだけど、Aとは長い付き合いだし・・・長いこと探索するなら気の知れた奴がいたほうが楽だって思っただけだ」
「そうか・・・・確かに私も、Aが一緒だと心強いしな。一緒に探索しよう」
『じゃあまずどこに行く?』
「うーん・・・絵がたくさん飾ってあった部屋に行くか」
『おっけー』
Aとサラは俺達とあまり離れないよう気を付けながらも先へ進んで行った。
俺達はその後ろをただついて行く。
するとエリカが「嘘が下手ね」と俺に向かって笑いかけてきた。
「・・・・何の話だよ」
「本当はただAと一緒に居たかっただけなんでしょう?分かりやすい人ね」
「なっ・・・!!ち、違う!お、俺はただ・・・!」
「誤魔化さなくたって、見ていたら分かるわよ・・・貴方がAに惚れ込んでることくらいはね。・・・いや、「惚れ込んでいた」と言うべきなのかしら?」
「・・・・・・・」
そうだ。
Aのことを好きなのも、守ってやりたいと思うのも、元からあった俺の気持ちじゃない。
死んだ『本物の俺』が抱えていた感情・・・。
俺はその『感情』をインプットされているだけ。
だから・・・俺のこの気持ちは、本物じゃない・・・・はずなんだ。
だけど・・・・それでも割り切れない。
本気でAに惚れているし、何があっても、命に代えてでも守りたいと思っている。
もしエリカや他のダミーズがAに何かしたら・・・殺すかもしれない。
それくらい想ってるんだ。好きなんだ。
「・・・・そんな感情を抱えなきゃいけないなんて・・・面倒ね、人工知能っていうのも」
「なっ!え、エスパーか!?」
「声に出てたわよ。・・・本気でAを好きだと思っているのならそれでいいけど・・・」
エリカは何か考え込む素振りを見せると、警戒するような目を俺に向けた。
「貴方・・・Aを悲しませるようなことしてみなさい。殺すわよ」
「・・・・・それはこっちの台詞だっつーの」
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みかづち(プロフ) - あげなすびさん» コメントありがとうございます!自分のペースですが頑張って更新していくので応援よろしくお願いします・・・! (2021年8月18日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
あげなすび(プロフ) - 初コメ失礼します!前の作品も好きで見ていたのですが、コメントをしてなかったので...とっても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2021年8月17日 20時) (レス) id: b8f6c5074d (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - のんさん» うわー!!!そう言っていただいてめちゃくちゃ嬉しいです・・・!ランマルの出番自体はまだ先になります(笑)これからもこの作品をよろしくお願いします! (2021年6月29日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - おかかさん» 褒めていただきありがとうございます!!これからも応援よろしくお願いします! (2021年6月29日 17時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - キミガシネのお話は少ないので書いていただいてうれしいです!ソウさんもカッコいいしケイジさんもカッコいい!!しかもランマルまででてくるとは笑これからも更新頑張って下さい! (2021年6月29日 0時) (レス) id: ea154a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかづち | 作成日時:2021年6月16日 19時