また明日。《3》

♯128 ページ28

陸くんたちが“直くん”の話で盛り上がってる中、私と壱馬さんはフォロワーをひとつずつ見て行った

と言っても、それをしてるのは壱馬さんで

A「壱馬さーん……もういいですよ？偽名使うような男だって分かっただけでも大収穫です」


壱馬「俺の気が済まへんねん…なぁ、偽名ってどっちが偽名なんやろな？仕事も…どっちがホンマ？」


どっちかな……
どっちでもいいや………


A「あ……………大学の…授業に調香師として講義しに来た時に出会ったんです………名前もその時名乗ってたのは、尊人さんでした……」


壱馬「じゃあ……あの女の方が偽名で職業偽ってるんやな」


こんな最低な男なのに嬉しかった
私には本当の名前と職業で付き合ってくれてた事

出会いが出会いなだけに、嘘をつくことは不可能だったと思う
それでも少し、祭さんに勝った気がした
競うようなものじゃないけど


壱馬「なぁ、これそうちゃう？」


A「あ……うん……よく見つけたね」


壱馬「簡単に繋がったで相互フォローしてんの見てたら」


A「Noble person……？」


壱馬「……尊い人？尊人やから？尊い人…自分で言うか？(笑)全然尊くないわ！」


A「………ねぇ、壱馬さん……尊人さん赤ちゃんいる……」


壱馬「はっ！？！？子供！？」


一番最新の写真は、尊人さんが生まれたてであろう赤ちゃんを抱っこしてる写真だった


A「予定日より少しばかり早く俺たちの元に舞い降りてくれました……人生かけて妻と娘を大切にします…だって…………あぁ、これか……私を北海道に残して帰った理由…赤ちゃんが生まれたんだね」

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