また明日。《3》

♯120 壱馬 ページ20

【壱馬side】


アカン……
あっちのペースに飲み込まれてってる……


A「いただきまーす！……美味しい(笑)壱馬さんお寿司好きなんですね！私この間初めてウニ食べて美味しいって思ったんです。東京のウニは美味しくないですね。北海道のウニは絶品でした(笑)」


壱馬「東京でもお高いお寿司屋さん行ったら美味いで？」


A「お寿司屋さん……可愛い(笑)」


壱馬「だから、何がやねん！おちょくってる？」


A「すみません(苦笑)」


完全に舐めとるな俺の事


壱馬「それにしても……ダッサいジャージやな。いつもの気合いが無いやん」


A「壱馬さん？これはセットアップって言うんですよ？知ってます？」


壱馬「ジャージやろ」



A「これだからオジサンは(笑)…………今日ね……初めて名前呼んでくれたんですよね……付き合って半年、一度も呼ばれた事無かったんです。なのに、今になってAって呼ぶんだもん……酷いと思いません？酷くてズルイ人……」


壱馬「初めてって……今までなんて呼ばれてたん？」


A「そっちとか、キミとか……名前呼ばれただけなのに、すごい気持ちが揺れたんですよね。もう本当に無理だって思ってたのに、振り解けなかった……壱馬さんが見てたアレです。だからアホな女って言われてちょっと目が覚めたって言うか……壱馬さんが来てくれなかったら多分……」


壱馬「また首絞められてた？｣


A「かも……」


壱馬「そんなん……名前くらい、いくらでも呼んだるやん」


ホンマに、どんな恋愛してんねん

名前も呼んでもらわれへん
会う日も決められてる
やれば首絞められる
普通じゃないって


A「やっぱり壱馬さん、優しすぎる」

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