俺たちフィッシャーズは……《2nd》

プチハプニング ページ26

｢次の方どうぞ〜｣




今一番聞きたくない言葉が耳に届く。





『……はい』




先に進むと、仰向けに寝かせられ動くベットと大きなライト。


そう、ここは









｢では、うがいをして口を大きく開けてくださいね｣









歯科院である。









どうもマサイです。


RADIOFISHの皆さんが俺の家に来るというドッキリで歯医者をドタキャンしたため、今日振り替えで来ています。


結構放置をしていたせいか、うがいをしただけで水が歯にしみてしまう。



そんなレベルになると勿論虫歯があるわけで、口を閉じないよう固定される。



｢これは……しばらく治療がかかりますね｣



あまりにひどい虫歯があるのか、歯医者の先生の顔も少し引きつっている。


ですよね、分かりきっていました。

でも大きな撮影もあることだし、時間をとれるかも分からない。








｢しかし動画の撮影とかで時間を開けるの大変ですよね。今日中に頑張って終わらせる方向で行きますか？｣






え？




声が出ないので、思わず目を見開くと先生は優しく笑って







｢あぁ、すみません。
小さな娘がよくYouTubeをみるもので、僕もよく一緒にみるんですよ。
Fischer'sのマサイさんですよね？｣







と、気を使うかのように小声で話してくれた。



まさかここで視聴者さんと会うと思ってなかったし、そこまで考えてくれたとは。

いい人に巡り会えたものだ。





そうです、そして今日で治療を終わらせてくださいの意味を込めて大きく頷くと伝わったのか





｢では、早速ですが麻酔を使っていきますね。
痛かったら手を挙げてください、対処しますので！｣





麻酔をされて、じんじんと歯茎の感覚が無くなるのがわかる。



目を瞑っていてもいいらしいので安心して目を瞑り、明日の予定やらなんやら考えていた。




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