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犠牲 ページ11

「やっぱり、思った通りでした。」

「見逃さなくてよかったよ、これで新しい発見ができるといいが」

「なかなかいませんよね……この病気持ってる人って。」

「でも最近発病する人が増えてきているらしい」

「もしかして……増えてきたからこうやって実験体が必要になってきたんでしょうか?」

「そういうことだろう。いち早く原因を突き止めないと不治の病が増えてしまうからな」






________眩しい。

目が開けられないくらいの眩しさ。






会話が聞こえて『嗚呼、捕まったんだ』と暢気に考える。



最近発病してなかったのになあ
もしかして何処か気を緩めちゃってバレたのかな





どっちにしろ自分の不注意か。





「……天使病の患者、一名。

そして側にいた男がトロイを患っている可能性が出ています。

念のため、他の部屋に移していますが
まだ薬が効いていて昏睡状態のようです。」





もう一人拘束されてるのか



いや、まて。



……トロイの患者?





『マサイ!?』




そうか、思い出した。

俺とマサイでコンビニに飲み物買いに行ってシルクの家に帰ろうとした時に襲われたんだ。







起き上がるとガチャガチャと音が鳴る。

見ると腕、首、腰、足に管が通されていた


勢いよく起き上がったせいで管に引っ張られ血が滲む。





でも、今の俺にはそんなこと関係なかった。





「大丈夫ですから、落ち着いてください」



『大丈夫なわけないじゃないですか!
っていうか、そもそもなんでこんな所に……』




「人助けだと思ってください。
勝手に連れ去ってしまったのは謝ります

しかし増えてきた病気を治すにはその患者を調べないと分からない処置法だってある

今まで、貴方のように実際に病気を患ってる人を使って治す方法を解明してきた。」







担当医であろう人が冷静に言い放つ。


その言い方に何故か無性に腹が立った






『……俺たちは物じゃないです。



それにこの病気を治してもらおうと思ったことはないですし



だったら、治してほしいと強く願う人を実験体にした方がいいですよ。』




まるで、犠牲者になれ。


と言われているような気がして。






「では、こんな状態になっても?」




『はっ……?』





目の前に大きな鏡が運ばれ、俺の姿が映る


そこにいたのは





「目を背けないでくださいね。」







真っ黒な片羽根を生やした、自分だった。






*

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カイ - 感動してます。更新待ってます! (2020年1月11日 20時) (レス) id: 7192b6431b (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - エイジくんの話…書いてくれてありがとうございます… (2019年2月2日 20時) (レス) id: 5083d910a8 (このIDを非表示/違反報告)
?ひまわり?(プロフ) - えいちゃんの話・・・(´TωT`)書いてもらえて嬉しかったです。感動です (2019年1月30日 20時) (レス) id: 19333092ac (このIDを非表示/違反報告)
まちゅ@三度目の正直(プロフ) - エイちゃんの話、感動です(´;ω;`)書いてくれてありがとうございます。 (2019年1月30日 19時) (レス) id: b1133c30ec (このIDを非表示/違反報告)
琳寧冬月(プロフ) - 続き読みたいです!頑張ってください! (2019年1月20日 22時) (レス) id: 9d24b8e5ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てぃろ | 作成日時:2017年7月17日 9時

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