【夏油傑】初めまして、結婚して欲しい

36 hearts ページ36

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怖かった。
玄関近くの廊下でうずくまった。
傑の表情からは何も読み取れなくて、
こんなの私が不倫したのを隠してるみたい。

本当にそうなのかも。




「いつまでこんなところで
ぼうっとしてるの。身体冷えるよ」




お風呂から上がった傑が私に声を掛けて、
ブランケットをかけてくれた。




「……もう少しマシな嘘をついて欲しいよ」

「やっぱり、分かってた、…よね」




顔をあげない私に、
傑は小さな文句を吐いた。
きっと私に対して初めて文句を言った。




「ごめんなさい、……傑」


「…謝る必要は無いよ。

私は恋人を作ってもいいっていったからね」





そう簡単に言われしまったから、
私は泣きそうな顔を隠すことも忘れて
傑を見上げた。




「それじゃ、…」




悲し過ぎるじゃない。と私は言おうとした。
けど、傑の顔を見たら
そんなことも言えなくて。




「 私がそれを最初に言って
矛盾しているけどね。

自分も分からない。
今、凄く心が痛いんだ 」




困ったように笑うから、
いつもの当たり障りのない笑みじゃないから。

私が悲し過ぎる、なんてお門違いなこと
言えるわけがなかった。



.作者
評価50票突破ありがとうございます(´∇｀)
それに、10点評価でとても光栄です…

みんな傑と結婚したいもんね……((((

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