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Taiga
『入っておいで。』
急に名前が呼ばれて、居ることがバレていたんだって焦ったのと同時に頭が真っ白になった。
俺、どんな顔してるんだろう。
でも、嬉しいのだけは確かで、でもそれだけじゃ表せなくて。
もっと心の深いところにはぐちゃぐちゃな汚い感情があって。
いまは嬉しさだけを心に留めて扉を開けてすぐみんなに駆け寄った。
驚くみんなの顔、そしたら何だか可笑しくなってきちゃって、思いっきり飛びついた。
勢い余って倒れそうになる俺を支えてくれたのは樹だけど、他のみんなも被さるようにして、どの腕が誰のものか分からないぐらい全員できつく重なり合った。
『京本くん、試すとはいえ酷いことを言ってしまった、本当にすまなかった。』
チーフマネージャーの謝る声が聞こえた。俺には、SixTONESが居るから大丈夫。さっきのを聞いたらそんな風に思えた。だから、首を横に振って、笑顔を見せたんだ。
『さぁ、今日はもう夜遅いから帰ってゆっくりしなさい。6人で、たくさんの時間を一緒に過ごしなさい。』
優しいおじいちゃんのように微笑んだチーフマネージャーが最後にいたずらっぽく一言付け足した。
『慎太郎くん、今度新しい服頂戴ね』
すっかり伸びってしまったベストの襟元を指で掴んでいるチーフマネージャー。
慎「……すみませんでしたっ!!」
首が折れるんじゃないかってぐらいの勢いの全力の謝罪。慎太郎に続くように、全員頭を下げた。
終始優しい笑顔のチーフマネージャーに送り出されて部屋をあとにした。
しばらく続いた沈黙のあと、最初に口を開いたのは高地だった。
高「慎太郎、まじで気をつけろよ。俺、終わったと思った。」
心なしかへこんでいた慎太郎も、何かを思い出したのか一気に顔が明るくなった。
慎「例えいま目の前に居るあなたであろうと。だって…」
……慎太郎はなんて言ってるの?
………なんで、みんなは笑ってるの?
みんなから少し離れて歩いていた距離がどんどん離れていく。
その背中がどこかに行ってしまう気がした。
さっきまで聞こえていた、
どこかで車が走る音、空調が効いている音、慎太郎の話す声、みんなが笑う声、
全部が、一瞬にして消えた。
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璃斗(プロフ) - 美桜さん» マイボードにてお返事しましたので拝見いただけると幸いです!! (2021年1月19日 21時) (レス) id: 18e89df471 (このIDを非表示/違反報告)
璃斗(プロフ) - 美桜さん» ご報告ありがとうございます。私自身インスタグラムの方では活動しておりません.......自分の目で確認したいのでもしよろしければマイボード(私のプロフから飛べるはずです…!)の方でアカウント等を教えていただくことは可能でしょうか? (2021年1月18日 10時) (レス) id: 18e89df471 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 所々変えてありますがほとんど同じ内容の作品を見かけたのでもし盗作だったらと報告させて頂きました。作者さんご本人がアップされている作品でしたら申し訳ありません。 (2021年1月17日 14時) (レス) id: d7589ab1a0 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - お久しぶりです。作品終了からしばらく経ってしまった後で申し訳ないのですがInstagramの方でもこちらな作品を投稿なさっているのでしょうか?? (2021年1月17日 14時) (レス) id: d7589ab1a0 (このIDを非表示/違反報告)
璃斗(プロフ) - 美華さん» ありがとうございます…!そう言っていただけて嬉しいです…!!今後とも、よろしくお願いします(^-^) (2020年5月4日 22時) (レス) id: 18e89df471 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:璃斗 | 作成日時:2019年10月13日 12時