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235. ページ35

【景光side】


景光「…『弟を…樹を助けてやってくれ』…これが、遺言(・・)だったんです…」



同時にこれは、俺と原野さんが樹に協力する理由の一つでもある



だが原野さんはこの遺言よりも前に春斗(上司)の弟である樹に協力していたし、樹を監視するためにも側にいたということも最近知った



…まあ原野さんの場合、その2つはおそらく理由の2〜3割程度で、他は彼の意思で協力しているんだろうけど



俺の場合も自分の意思でここにいた



樹の兄を死なせてしまった…しかも公安である俺のミスで



そして樹は、俺が生きられるように匿ってくれている



これは自分のミスを償うための行為だとも思ってる



協力したところで樹の兄が戻ってくるわけでもない…けど、それでも俺はアイツの力になりたかった



俺は綾香さんに俺の気持ちを全て打ち明けると、綾香さんは『そっか…』と呟いた後、再び俺の頭に手を乗せた



綾香さんを避けてしまったのは彼女の言う通り、彼女の息子は俺が死なせてしまったようなものだったからだ



綾香「その言葉が聞けただけ十分よ…春斗(あの子)、こんなに素晴らしい人間関係に恵まれていたのね…自分を思って行動してくれる人と弟に…
それに、あなたのような意思の人なら…これからも樹のこと任せられるわ。…樹の人生は半分以上が春斗によってできている。生活から何もかも。本来は私がやってあげなきゃいけないことも全て春斗に任せていたわ。
…強がってるけれどまだ19歳だもの、人の手が必要よ、特に…樹が信頼を置いているあなたの手はね」



まるで“娘さんください!”と挨拶をした男のような気分だったが、“息子さんは任せてください!”だからあながち間違いではないのだろうか



少なくとも綾香さんの言葉で、俺の目からは涙が溢れた



綾香「ふふっ…なんだか息子がもう1人増えたみたいね」



景光「俺はこんなハイスペックな家族にはなれませんよ」



綾香「ほら、涙拭いて、樹のお祝い料理作ってくれるんでしょう?私も楽しみよ!」



景光「涙じゃないです…玉ねぎを切ったので…」



綾香「まだ皮を剥いた段階だけどね」









樹「…」

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(プロフ) - hutoさん» ありがとうございます頑張ります!そんな嬉しいお言葉を頂けるとは…(泣)これはテスト死ぬ程頑張らねば! (2021年10月9日 21時) (レス) id: ef148efd04 (このIDを非表示/違反報告)
huto(プロフ) - テスト頑張ってください!次の更新までpart1から見返します (2021年10月8日 20時) (レス) @page32 id: adbf76b9c4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年8月15日 11時

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