ねぇ、先生。【名前変換】 (ページ20)

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第二十話ページ20

フードコートでお昼ご飯を食べたり、ゲーセンでプリクラを撮ったりといろいろ遊んだ。
もうそろそろ帰ろうかと、ショッピングモールを歩いていた時に……。

「あ、あれ、先生じゃない？」

(人4)が駄菓子屋の方指さす。
そこには人が集まっていた。
あの中に先生がいる。そう考えると嬉しくなった。

「せ、先生！？」

必死にその姿を目に映そうと頑張るが、先生らしき人は見当たらない。
なんだ、(人4)の見間違いかと諦めかけたが、何とか先生を見つけることができた。
だけど……。

「ほら、やっぱりそうだよ。って、A？なんでそんなにショック受けてるの？」

「先生違いだよ……」

駄菓子屋にいたのはたしかに先生なのだが、そうではない。
私は(人3)先生だと思っていた。
でも、(人4)が言っていたのは国語の先生だったようで……。
私は肩を落とした。
いや、(人3)先生と勝手に思い込んでいた私が悪いのだけど。
(人3)先生に会えなくても辛くない、なんて強がったけど、本当はかなり辛い。
これが恋ってやつなのか、とつくづく思う。

(人4)は不思議そうに私を見つめる。
その視線さえも今は心臓にグサグサと刺さる。とても痛い。

「A、誰だと思ってたの？」

「べつに……」

「そんなショック受けなくても……」

私を励ますためだろうか、「これあげる」と言っていちご味の小さな飴玉の袋を差し出した。
「ありがとう」とお礼を言い、その飴玉を受け取る。
そして袋を開けて口に含むと、甘い味が口いっぱいに広がった。
何故だか今日は飴玉がとても美味しく感じる。

「…元気出た」

飴玉のおかげで。
(人4)はにっと笑って、

「じゃあ帰りますか！」

と言った。
それに返事をして、私たち二人はショッピングモールを後にした。