ねぇ、先生。【名前変換】 (ページ15)

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第十五話ページ15

空は青い。そして、とても広い。

私は人生で初め授業をサボった。
今まできちんと授業に出ていたが、今日はとても業を受ける気分にならなかった。

今日くらい許してください、なんて心の中で神様に言う。
いつも頑張っていたのだから、今日だけでも。

「先生に会いたかったなぁ」

ポツリと呟いた言葉は、静かな空間に消えていく。
今頃クラスの皆は(人3)先生の授業を受けているのだ。正直羨ましい。
だけど、授業をサボったのは他の誰でもない自分だ。
これは自業自得。そう言い聞かせ、目を瞑った。
もう二月とはいえ、まだ寒さが残っている。
風が吹けばとても寒い。だけど太陽が出ていると暖かい。
嫌な気候だなと思う。

先生と初めて話した時の事を思い出す。
たしかあれは、私が数学の教科書を忘れて……その時は何とも思っていなかった。

それから試験日前の放課後、教室に残って(人4)と勉強会をしていた時。
どうしても数学で分からない問題があって、先生に教えてもらうため職員室に行ったのだ。
あの時は先生の教え方はすごく上手だ、なんて思っていた。

先生の授業で寝てしまったことがあった。
かなりの寝不足だったみたいで、睡魔には勝つことができなかった。
そんな私を起こしに来たのが先生だったっけ。
あの時からもう、先生のことが好きだった。

ほんの少しの……数ヶ月の間でこんなにも先生のことを好きになってしまった。
女子にモテている先生なんて見たくない、なんて思ってしまうようにもなった。
私は恋をして変わってしまったのだ。
嫉妬なんて、とても醜い。
そうは思っていても、この心の中で渦巻く黒いものはなくならない。

でも、この恋は絶対に叶わない。
先生に恋をしてはいけないのだから。
先生は大人、私はまだ子どもだから。