検索窓
今日:85 hit、昨日:115 hit、合計:1,596,428 hit

捌話目 ページ9

悲鳴をあげそうになった。それが叶わなかったのは、声の直後に目と口を力強く押さえつけられたから。

視界と声が奪われた。情けないことに私の体はピクリとも動いてくれない。


「君はもっと賢い人間だと思ってたんだけどな」


耳元でそう囁かれる。
その声の奥にあるゾッとするような冷たさを感じて、ぞわりと鳥肌が立った。


「逃げれると思ったの?僕もしかしてナメられてる?」


口を押えていた手がするりと下に行き、首元を撫でた。そして軽く私の首を掴んだ。力はこもってないから苦しくはないはずなのに、私は息苦しかった。息が上手くできない。やり方を忘れてしまったみたいに浅くしか呼吸ができない。


────恐い


「君を生かすも殺すも僕次第だったんだよ」


少しだけ首に爪をたてられる。
痛くはない。痛くはないけど、ただただ恐い。


「さ、帰ろっか。君がいるはずだった場所に」


ピクニックでも行こうか、とでも言うような声音で彼は言った。その明るい声がむしろ恐い。






電車の揺れや音がピタリとやんだ。





視界が戻ったと思ったら、そこは電車でもなんでもなく、どこかの部屋の一室だった。


腕の支えを無くした私の体は床に崩れ落ちた。
彼はそんな私の体に跨り、押し倒すような体勢でにっこりと笑った。


「どうも初めまして…ではないけど、便宜上初めましてだね夜槻Aさん。」



冒頭部分に一つミスがあったことが判明した。
壁ドンじゃなくて、床ドンだわ。これ。

玖話目→←漆話目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (2884 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
7185人がお気に入り
設定タグ:五条悟 , 呪術廻戦
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みかん - 更新待ってる (1月3日 23時) (レス) @page17 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
miuna(プロフ) - 私も他の皆さんと同じで更新待ってます(泣) (7月24日 1時) (レス) @page17 id: f392b85cff (このIDを非表示/違反報告)
- お、終わり…スゥー‐‐いや待っていますずぅーーっと正座待機しています!! (7月10日 15時) (レス) @page17 id: 0bc178810c (このIDを非表示/違反報告)
みろく - に、2年前だと……もう更新は無理かな、💦でも、待ってます!なぜなら、続きが見たいから!と、とりあえず、頑張ってください! (2023年4月5日 21時) (レス) @page17 id: 9f932c344b (このIDを非表示/違反報告)
フォォォォォォォォォ - 今まで読んだ中で一番好きな作品です!更新頑張ってください! (2022年12月30日 10時) (レス) @page17 id: 25c3942ea0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:葉月 | 作成日時:2020年11月20日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。