肆話目 ページ5
家のことは全部暴露した。両親は今頃どうなっているんだろう。生きているかもわからない。死んでても、まあ別に。
上京して高校のクラスメイトの家に転がり込んで、バイトに明け暮れる毎日。あんまり高校生活と変わらなかった。
途中からアパートを契約して、友達の家から出ていき毎日毎日を過ごしているうちにそろそろ4年の月日が経とうとしている。
「おねえさん。いつものお願い」
「はーい」
カフェのバイトである。
ご主人の趣味の菓子作りが高じて始めたカフェ。夫婦2人で営んでいたカフェで働いている。地元の常連しか来ないような店で、意外と心地良い雰囲気の店である。
そして常連の1人であるこの怪しさ満点の男の人は今日も信じられないほど甘いコーヒーを飲んでる。甘いコーヒー──矛盾を感じる。ちな、この人のための特製メニューだ。
そもそも何故この男の人が怪しさ満点なのかと言うと、単純に見た目からである。この人、何故か目を布で隠していらっしゃる。スラリと背の高さも相まって普通に怪しい。というか目隠ししてる男なんてどう考えたって怪しい。髪白いし。よくあんなに綺麗に脱色できるよな。
「最近来ていらっしゃらなかったですけど、どうかしたんですか？」
「うん。ちょっと日本救ってた」
「まだ厨二病が抜けてないんですね。可哀想に」
「事実なんだけどなー」
そう言って笑った。
目は見えないからわからないが、多分この人めちゃくちゃ美形だと思う。
「でも、よくこんな毎日毎日来てますよね。何かあるんですか？この店に」
「んー…会いたい人がいるからね」
「え、意外。ウチの常連さんですか？」
「さぁ？」
「なにそれ」
この人がこの店に通い始めてそろそろ三年。
名前すら知らないが、もはや他人とは思えない。
どこかで会ったことがあるような気がするけど思い出せないんだよなぁ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7184人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかん - 更新待ってる (1月3日 23時) (
レス) @page17 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
miuna(プロフ) - 私も他の皆さんと同じで更新待ってます（泣） (7月24日 1時) (レス) @page17 id: f392b85cff (このIDを非表示/違反報告)
琥 - お、終わり…ｽｩｰ‐‐いや待っていますずぅーーっと正座待機しています！！ (7月10日 15時) (レス) @page17 id: 0bc178810c (このIDを非表示/違反報告)
みろく - に、2年前だと……もう更新は無理かな、💦でも、待ってます！なぜなら、続きが見たいから！と、とりあえず、頑張ってください！ (2023年4月5日 21時) (レス) @page17 id: 9f932c344b (このIDを非表示/違反報告)
ﾌｫｫｫｫｫｫｫｫｫ - 今まで読んだ中で一番好きな作品です！更新頑張ってください！ (2022年12月30日 10時) (レス) @page17 id: 25c3942ea0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葉月
| 作成日時：2020年11月20日 1時
