双子の兄はアイドルです。

入国禁止 ページ33

今日は猛暑日、音楽番組の出演が決まってる。



7月の末に両Ａ面のシングルを出して、
気づけば8月になった。


それでもお兄ちゃんは帰ってくる気配がない。
連絡をしても返事もなくて、届いてるのかすら分からない。




中「暑いなぁ」



『暑くて溶けそうや』



桐「神ちゃん引きこもりすぎるねんて(笑)」



藤「神ちゃんこれ誕生日プレゼント！」



『なになに、くれんの！？』


誕生日プレゼントなんて貰ったのいつぶりやろ…



藤「神ちゃんが好きなブランドのやつやねんけど」



『ありがとう！めっちゃ嬉しいわぁ！』

あっ、浮かれてた。お兄ちゃんにか…
しっかりお兄ちゃんに渡しておくね、流星



中「俺も渡したいから今日ええか？」



『なに、淳太もくれるん？気持ちだけでええのに〜』



中「ええやんか、楽しみしとき」




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音楽番組の出演が終わるとスタッフに呼び出された。



「お兄さんから連絡が来ました！」



『お兄ちゃんなんて？』



「あと1年伸ばして欲しいと…」



『えっ、』



「海外の方がロックダウンしたようで、日本への入国が禁止になり次に帰国出来るタイミングで帰ってくるそうです」



『何それ…』



「社長にも伝えていますので、もう少しお願い出来ますか？」



『お願いも何も…』



「後ですね、11月から舞台が決まりまして、台詞の長い2人劇になっています。LUNGSと言うんですが、存じ上げておりますか？」



『あー、知ってるかも。韓国かどっかでもやってましたよね？』



「そうです！引き受けてもよろしいですか？」



『引き受けることでこれからのお仕事に繋がりますか？』



「それはもちろんです！！」



『じゃあお願いします』



「ありがとうございます！！」




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中「えらい話長かったな」



『仕事決まったけど、どうするかって話』



中「なんの仕事？」



『舞台、セリフ劇みたいな』



中「へぇ〜！凄いやん！」



『お兄ちゃんの実力でしょ』



中「この1年おったのはAやねんから、Aの実力やで」



『そんな褒めても何も出ないよ』



中「知ってる(笑)今日は美味しいもん食べに行こうや、ご馳走したるわ」




『ありがとう』




そう言って連れてきてもらったのは
個室のある高級な焼き肉屋さん。



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