ただ君が好き。赤 (ページ20)

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#20.同情？ページ20

重「えっと、ごめん！！」

『なんですか、急に。帰って下さい迷惑です』

重「迷惑でもええ、ちょっと話させて欲しい」

『話すことなんてありません！お帰りください』

そういう彼女は俺を振り切って家へ入って行こうとする。
でもこれを逃したら次いつ会えるか…

重「ご両親のこと！」

『………っ、』

急いでいた手が止まった

重「おじいさんのことも大吾から聞いた。少しだけでいい話せんかな？」

『こんな所で大声出すなんて馬鹿ですか？自覚持ってください。人目あるんで中どうぞ。』

重「ありがとう」

家にお邪魔すると、ご両親そして
祖父母の写真が仏壇に飾られていた。

そして1ヶ月ぶりに会う彼女もだいぶ痩せていて
以前よりも肌が白くなっていた。

重「なんで言ってくれんかったん！？」

『言っても貴方たちに何の利益も無いですよね？』

重「でも」

『私の事認めてない状況で話して認めてくれましたか？それってただの同情ですよね？』

家の中は生活感があまりなくて
どちらかと言えば殺風景に近い。
それもあってか彼女の言葉一つ一つが重く感じる

重「ちょっとは助けれたかもしれへん。」

『やめてください』

重「同情とかやなくて」

『私は周りを不幸にしちゃうから、一人の方がいいんです』

重「なんでなん？」

『親だって、私も同じ車に乗っていたのに助かったのは私だけ。親戚にも引き取り手が見つからずたらい回しにされてたどり着いたのは祖父母の家。もういないし、ずっと働いてなかったからそろそろここも出て行かないと家賃が払えなくなる。』

だから荷物もまとめられてて殺風景なのか。

重「じゃぁ戻ってきたらええやん」

『言いましたよね？私が周りを不幸にするって。私がいた時WESTは喧嘩ばっかで雰囲気は最悪。何にも変わることなんてなかったむしろ邪魔しただけ。社長にも事情は説明してあるので大丈夫ですよ』

重「あかん」

『は？』

重「初日に俺に言ってきた意気込みはなんやったん？俺、宣戦布告されたけど」

『あれはおじいちゃんがいたからで、キリよくやめてやろうと思っていたので』

重「そんなん許さんで」

『今更何を？』

重「今更ちゃうよ、家がないなら俺ん家こればいい。東京住めばグループにも戻ってこれるし何より近くで守ってやることが出来る」

『もしかしてあの日の事、自分のせいだとか思ってますか？』

重「…っ、それは」

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