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Aを取られるんじゃないかって。
でもAはあいつじゃなくて俺を選んでくれた。
毎日俺のとこ来て励ましてくれて
何度も俺の歌を聞きたいって言ってくれて。
そんな時、小瀧を紹介された。
小「はじめまして、小瀧望言います」
『実はね、最近引っ越してきたご近所さんで元々お母さん同士が幼なじみで仲良いんだ』
小「俺もしげって呼んでいい?」
重「勝手にどうぞ」
『何人見知りしてんのよ!そんなキャラじゃないじゃん!』
小「しげが虫のおもちゃでA困らせてるってのは本人から聞いてますよ(笑)」
重「お前、そんなこと言うてんのか!」
『ほんとのことでしょー!』
俺と小瀧が馴染むのもそう時間はかからなかった。
そんな時、Aからかけられた言葉ー
『望ね、めっちゃ歌上手いんだよ!透き通る歌声なのに力強いの。しげと相性いいと思う。』
重「俺はもう歌わんって決めてん」
『いつまで逃げてんの』
重「へ?」
『逃げたかったらまた逃げてもいい。でも一度夢叶えるって決めたなら最後までやり抜いて欲しい。間違ってもいいから。後悔して欲しくない。何かあったら支えるから、しげの味方になるから。』
俺は決めた、こいつと1からやり直してみようと。
重「なぁ、小瀧」
小「んー?」
こいつら2人が中学に入ってすぐ、
「3人で路上ライブしやん?」
そう言って話を持ちかけた。
Aは嬉しそうに賛成してくれた。
小瀧も「二人がやるなら俺も…」
って直ぐに返事をくれた。
『その選択、間違ってないよ。きっと』
重「でもな、デビューする事で人柄が変わるかもしれん。やからデビューだけは怖くて出来ひん。趣味に過ぎんけど、一緒におってくれるか?」
『それだけでいい。勇気出して前に進んだだけでも前進!3人で楽しもうね!』
ーーーー
重「それで今に至るって訳。」
小「なんなんその話!」
重「黙っててごめん。」
小「それでも俺は…俺は一緒にデビューしたいと思ってる。俺は俺やから変わらんから」
重「そう言ってくれてありがとう」
小「俺はしげがおるから路上に立ってる!一人でなんかようしやんし…だから一緒にデビューの夢叶えようや」
重「小瀧…」
小「あ、でもAの事は別やで!」
『私?』
小「多分、同じ気持ちやろうし。そこは譲らんからな」
重「ええ度胸や。いつか一緒に大きなステージで歌お」
こうして新たに夢ができた
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作者名:Spica | 作成日時:2021年9月27日 7時