王子との恋。橙 (ページ1)

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#1.出会いは突然ページ1

今日も朝から黄色い声援が校舎に鳴り響く。

重「朝からうるさいなぁ」

『皆あの声どこから出してるんだろうね』

小「Aは興味無いん？」

『ないない！住む世界が違うもん』

私もまた別の形でイケメン2人に挟まれている。
2人は俗に言う幼なじみ

しげこと重岡大毅はお隣に住む幼なじみで
私のひとつ上の先輩にあたる。
昔からよく両親が忙しい時は協力し合って
お互いの家をよく行き来していた頃もあった。

のんちゃんこと小瀧望は私と同い年で、
お母さんたち同士が仲良くて小さい頃から
ずっと一緒にいることが多い。

重「お金持ちがあんなに偉いのかね〜」

小「しげも羨ましいんやろ」

重「俺は今の生活が幸せやからそれでええねん、な！A」

『うん！』

小「女の子やったら1度はお姫様とか憧れるやろ！」

『憧れは憧れだから。理想論だから』

小「もっと夢持ってもええのに〜」

重「あひゃひゃひゃひゃ！そんなん言うとってもなんにも変わらんねん、楽しく今を過ごそうや」

『あ、そうだ！昨日しげが送ってくれた新曲の歌詞めっちゃ良かった！！』

小「新曲！？なにそれ！俺聞いてない！！」

重「お前にも送ったわ！既読なってへんから見てへんだけやろ」

小「うわぁぁぁ、ほんまや！！」

こっちはこっちで朝から賑やかです。

『サビほんと良かった！早く歌いたい！！』

私たち3人はバンドを組んでいる。
趣味の一部でしかないけど、
私たちの家族はごく普通に言う庶民というやつ。
親が共働きで忙しい毎日。
その姿をずっと近くで見てきたから、
少しでも足しになればと始めたバンド。

路上で歌って投げ銭貰って、家に入れたり
お小遣いの足しにしてる。

しげが作詞作曲してピアノ兼サブボーカル
のんちゃんがギター兼サブボーカル
私がメインボーカルをやっている。

『新曲歌う日が楽しみ〜』

意外と私たちの歌を好きだと言ってくれる人もいる。
しげの作る曲には魅力がある。

小「ちょ、こんな時間！遅刻する」

重「やば！走るで！」

何とか遅刻ギリギリで学校の門を潜り抜けた。
と思った矢先…

ドンッ..!

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中「あれ〜、どこいったんやろ」

桐『何探してんの？』

中「リップ持ってきたはずやねんけど無いねん」

桐「淳太くん無くすの何回目なん！笑」

中「ポケット入れてたはずやねんけど…

ドンッ..!

中「いたたたた…」

『あの…大丈夫ですか？』

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