最終話 ページ16
元の世界に戻れたのは良かったけど、
手首の痛みは収まらない。
ふと砂時計を見ると、
時間が経っていくのが分かる。
(ああ…このまま死ぬんだ…。)
私の残り時間は僅か3時間。
悔いのないように過ごせと言われたけど
3時間じゃ、短すぎる。
戻ってこれたけど何がしたいか。
自分ではそれさえも分からない。
_________
せめてお母さんだけには
会おうと思って階段を慎重におりた
お母さんは娘が
3時間後
に死ぬとは知らず笑っている
「おはよう
どうしたのA泣きそうじゃない」
いつもと変わらぬ声が
耳に残りとれない
落ちない
どうせ死ぬのなら
消えるのなら
この世界を知りたくなかった
美しさを
嬉しさを
悲しさを
儚さを
知ってしまったら
消えたくなくなる
自分の消えた世界は
きっと
何事も無かったかのように回る
それが嫌だ
妬ましい
自分を惜しんでほしい
この世界から消えないでと
相手にも縋られてみたい
こんなことを思ったから
こんなこと言ってしまったのかもしれない
「 」
お母さんの顔色は変わった
頬をつたる涙が美しいと思った
自分を惜しむ
彼女を見て
私は
気持ちがよかった
────────────
彼女は謝った
私に
「ごめんなさい、ごめんなさい」
と繰り返す
私はそんな彼女を置いて
部屋へ戻った
特にしたいことなど
思い当たらない
私は
空気に
空虚な世界に
空っぽな自分に
言った
『私を殺して?』
「そうかいもう十分か
お望み通り君を消してあげよう」
耳の奥で天使が囁く
ベットに横たわり
目を瞑る
手首は再び痛み始める
心臓の音が
私の中で響き
消えた
────────────
ある朝起きたら
全て、左右が反転していた
『...は?なにこれ意味わかんない。』
────────────
終わり←14話。
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plant* - rinne*さん» はいっ、読ませていただきます!!更新待ってます! (2016年3月2日 14時) (レス) id: fe40888a85 (このIDを非表示/違反報告)
rinne*(プロフ) - plant*さん» ありがとうございます!残りの二人の文才がすごすぎたんです笑ほんとにありがとうございます!こ、これからも読んでくださると嬉しいです…!! (2016年2月21日 16時) (レス) id: ffba06a939 (このIDを非表示/違反報告)
plant* - すごく面白いです! 描写?とかいろいろ細かくて…! 話に引き込まれました!更新頑張って下さい!!! (2016年2月21日 16時) (レス) id: fe40888a85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛音、瀬戸有菜、ウサラギ* | 作成日時:2016年2月2日 13時