第28話 ページ31
第28話
爆豪からとんだカミングアウトをされた。
上鳴と俺は、爆豪の言葉に戸惑う。聞けば聞くほど、ひとつの答えしか出てこねぇからだ。
「じゃなくて、好きなんじゃねぇの？」
上鳴の遠慮がちな言葉に、爆豪が固まる。ゴクリと唾を飲み込む俺は爆豪をじっと見つめた。多分気付いてなかったんだろうな……コイツ。
確かになんか、爆豪ってそういうのと縁がなさそうっつーか……女に興味なさそうだったから。
すると固まっていた爆豪がやっと口を動かす。
「……んなわけねぇだろ、アホか。あの女と居るとイライラすんだぞ」
「それ、他の奴らと違うイライラなんだろ？思い出すとむしゃくしゃして」
「だからって何でそうなるんだよ」
爆豪が俺達から目を逸らし、少し投げやりぎみにそう言った。理解できないって顔だ。
俺は緊張しながら口を開く。
「じゃあ、爆豪は……そのモヤモヤの原因なんだと思う？」
「…………………」
「あの子が死んだ時……胸が苦しくなって忘れられなかったり、そういうの少しもねぇのか？」
忘れられなかったからモヤモヤして
その原因もよく分かんなくて
余計にイライラして
忘れたいと思ったんじゃねぇのか？
苦しかったから
そう、思ったんじゃねぇのか？
いつかあの子が成仏して消えても
爆豪は忘れられねぇよ。
あの子のこと、絶対忘れられねぇ。
爆豪が黙り込んでしまい、俺も上鳴も何も言えなくなる。気まずい空気が俺達を包み込んだ。
どうしようかと迷っていると……先に動いたのは爆豪だった。俺と上鳴の心臓がドキッとなる。
爆豪は何も言わず、無言で立ち上がるとどっかに行ってしまった。
「やべぇ、地雷踏んだか？」
「……踏んだってより掘り起こした感じだな」
「いつもみたいに怒鳴らず無言とか、余計に怖ぇよ！！」
「とりあえず、この事は今後誰にも言わない方がいいぜ。爆豪にも」
「はあ〜〜〜……だなぁ」
もし、爆豪がこれで自覚したら
爆豪はあの子を消すのを辞めるんだろうか。
一度失った時の気持ちを味わってるのに
またその気持ちを味わうと分かってて
自分の手で消すんだろうか。
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mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (
レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
晏(プロフ) - この作品が好きすぎて、何度も見直しています！ 感動しすぎてこれを読む時は、ティッシュが必ず横に置いてあります。 (2021年3月17日 0時) (レス) id: 440a1ef8ed (このIDを非表示/違反報告)
きなこ餅(プロフ) - 感動です...あれっ、足元に大量のテェィッシュが...笑。素敵な文章ですね！こんな文章が書けるようになりたいです。これからも、応援しています！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 349b1bb88e (このIDを非表示/違反報告)
みゅーう - めっちゃ感動しました。ボロ泣きしました。素敵な作品を書いて頂きありがとうございます！ (2019年7月22日 1時) (レス) id: b0c04a8a2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2017年12月15日 7時
