第17話 ページ20
第17話
「約束、って……」
「あれ……忘れたの？」
「なわけねぇだろ覚えてるわ！！」
安心した、とヘラヘラ笑う。
俺と勝負すると約束した鳳憑は、２ヶ月前急に死んだ。なのに俺の前に突然、幽霊となって現れ約束を果たしに来たと言った。
突拍子過ぎて訳分からねぇ！！
「おいっ……ちゃんと説明しろや」
「それもそうね」
気配は確かにある。
でも、実態がない。
「鳳憑家は代々、“死後は幽霊になる”という特殊な個性を持った一族なのよ。といっても無個性や別の個性を発現する可能性があるから……この個性は死んでみるまで分からないんだけどね」
「とんだ博打じゃねぇか」
「ふふっ、確かに。私も血縁者である限り可能性はあったけど……本当にそうだとは死ぬまで分からなかったわ」
じゃあ、こいつの死因は本当に事故なのか？
「本題に戻るけど、あなたとの約束を果たしに来たわ。実態がないから出来ることは限られているけど」
「そんな状態でどうやって勝負すんだよ」
そう言うと、コイツは待っていたかのように口角を吊り上げ笑った。２ヶ月前まで俺だけが何度も見てきた、腹黒い笑い方だ。
「私を消してみなさい」
「………消す？」
「そう、幽霊となった私を消すことが出来ればあなたの勝ち。出来なければ……あなたに一生憑いているわ」
憑く……？
「ふざけんなッ、要は悪霊じゃねぇか！！」
「悪霊だなんて失礼ね。嫌なら消してみなさいよ」
なんで俺が幽霊退治なんざ……！！
つうか、それより
「消す方法なんて知らねぇわ！！お経でも読めってか！？」
「普通の幽霊とは違うんだから、お経を読むだけじゃ消えないわよ。それに個性は万能じゃない」
「……あ？」
「弱点があるってことよ。そうじゃなければ、死んでも死なない個性なんてズルいでしょう？絶対に死なない個性なんて……あるわけないんだから」
確かに、そうだ。
不老不死は有り得ない。
どんな個性でも
死は等しく与えられている。
「…………弱点ってなんだ」
「私を消す方法は幾つかあるけど、確実な方法は二つあるわ。一つは『何らかの方法で個性を破壊すること』世の中にはそう言う個性を持った人間がいると聞いたことがあるわ」
何らかの方法で個性を破壊する？
イレイザーヘッドみたいな、ああいう感じの個性のことか？
「……で、もう一つは？」
.
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mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (
レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
晏(プロフ) - この作品が好きすぎて、何度も見直しています！ 感動しすぎてこれを読む時は、ティッシュが必ず横に置いてあります。 (2021年3月17日 0時) (レス) id: 440a1ef8ed (このIDを非表示/違反報告)
きなこ餅(プロフ) - 感動です...あれっ、足元に大量のテェィッシュが...笑。素敵な文章ですね！こんな文章が書けるようになりたいです。これからも、応援しています！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 349b1bb88e (このIDを非表示/違反報告)
みゅーう - めっちゃ感動しました。ボロ泣きしました。素敵な作品を書いて頂きありがとうございます！ (2019年7月22日 1時) (レス) id: b0c04a8a2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2017年12月15日 7時
