第10話 ページ12
第10話
さっきから、お客さんの反応が変わった。
文化祭のクラスの出し物で喫茶店をしている僕のクラス。そこでお客さんの案内を担当していた僕は、さっきからお客さんが「なにこれ美味い！」「クオリティ高っ」とやたら褒めてる。
確かに、ちょっと前から料理の出来が違うような。いったい調理場で何が起きてるんだろう。
気になって恐る恐る調理場を覗きに行く。
「あなた、本当に料理上手かったのね」
「てめぇよりもな！！」
そこで料理をしていたのは、生徒会長の鳳憑Aとかっちゃん。
なんであの二人が……。
本当に、何でも出来る二人だなぁ。
「さて……そろそろ私は生徒会長としての仕事に戻るわ」
「てめっ、まだ俺との勝負はついて…」
「あら、私がいつあなたと勝負していたの？私はただクラスメイトとして役に立とうとしただけよ」
「ッ〜〜〜〜〜〜〜！！！」
そう言って長い髪を揺らし出口である僕の方に向かってくる。だが何かを思い出したように立ち止まると、くるっと振り返りかっちゃんを見た。
「料理が上手いのは本当なんだから、これでサボる理由がなくなったわね。こんな時間まで１人休んでいた分、最後までしっかり働きなさい。サボるなら単位はあげないわよ」
「はあ！？待てやクソ女ぁ！！！」
「みんなも頑張ってね、彼の力を借りればもっと繁盛すると思うわ。だから彼がサボったら私に言って頂戴ね」
そう言って優雅に僕の横を通り今度こそ出ていった。なんて言うか、流石…生徒会長。
かっちゃんは怒りオーラ全開だけど「爆豪次のオーダー入ったよ！」「オムライスまだ！？」「爆豪くんこれどうやればいいの？」と次々言われ「うるせぇ！！！」とキレながらも料理を続けた。
完全に忙しくなった周りの空気にのまれてる。
でも確かに、二人の料理の味が広まって客足もグンと増えた。ここでかっちゃんに離脱されると苦しい。かっちゃんが料理を続けてくれれば店は繁盛するし……生徒会長はそこまで分かっててかっちゃんを挑発したのか？
考えすぎ、だろうか。
かっちゃんのおかげで、僕達のクラスは今年の文化祭売り上げランキングで１位を取ったのだった。
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mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (
レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
晏(プロフ) - この作品が好きすぎて、何度も見直しています！ 感動しすぎてこれを読む時は、ティッシュが必ず横に置いてあります。 (2021年3月17日 0時) (レス) id: 440a1ef8ed (このIDを非表示/違反報告)
きなこ餅(プロフ) - 感動です...あれっ、足元に大量のテェィッシュが...笑。素敵な文章ですね！こんな文章が書けるようになりたいです。これからも、応援しています！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 349b1bb88e (このIDを非表示/違反報告)
みゅーう - めっちゃ感動しました。ボロ泣きしました。素敵な作品を書いて頂きありがとうございます！ (2019年7月22日 1時) (レス) id: b0c04a8a2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2017年12月15日 7時
