私がサッカーを嫌いな理由

5話 ページ7

食堂へ行くと、誰もいなかった……



この時間帯は皆夕食を食べ終え…部屋にいるか、各々トレーニングをしているかだろう……



私は、厨房へ行って…適当に賄いを食器に装った…

ちなみに、私の食事は賄いか自炊となる。



｢へぇ……ここって、ゴールのポイントとかあるんだ…


1日外出券……うわぁ｣



壁に飾ってある、ゴールのポイントの報酬欄を見てそんな独り言をボヤいていた……


ここの選手はスマホも何もかも没収され……

正にサッカーだけの生活を強いられている見たいだ…

とても、正気の沙汰とは思えない。



｢……ご馳走様でした｣



食べ終えた食器を厨房へ持っていき片付け……

ランドリールームへ向かおうと廊下に向かって歩き出した。



すると、何かが目に止まり、その方向を向くと……

白い髪の人がテーブルに突っ伏していた。


というか、いたの気が付かなかった…




｢……!?｣



?｢んん……あれ、君誰?｣



こちらを見たと思ったらその一言……

こっちのセリフ。


完全に目があって…無視できない状況になった…



｢……帝襟…夢主｣



?｢そ……俺、凪 誠士郎……｣



そう自己紹介すると、ムクリと起き上がった…。

なんとも、気だるげそうな男だな……


｢えっと……ここで何してるの?｣



凪｢…お腹空いたから、ステーキ食べようと思ったんだけど……


めんどくさくなってきたから、ここで寝てた｣




なんじゃそりゃ…!?

本当にスポーツしてる人!?

たったそれだけで面倒くさがってて大丈夫!?


下らない理由に、聞いて損したと心底思った…。



｢あっそ…｣



凪｢…ねぇ、部屋までおんぶして?｣



｢はい?何言ってるの!?

無理に決まってるでしょ……てか、自分で帰りなさいよ｣



凪｢えぇ…めんどくさい…｣


確かに、サポートするのが私の仕事だが…それは流石に無理…

けれど、こんな所で寝られてもな…


｢…分かった、おんぶは無理だけど一緒に部屋まで行くよ…?｣



凪｢…うん、わかった｣



そう言って、男は立ち上がった…

イヤイヤ、身長何センチ!?
そう思うくらい高い。


この人を部屋まで案内しようとした時、袖を掴まれた…



｢…ん？｣



凪｢…どうした?連れてってくれんでしょ?｣




なるほど、引っ張れと言う意味か……どんだけ、怠惰な人なんだろう。


私は、袖を掴まれたまま廊下へ歩き出した…

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