私がサッカーを嫌いな理由

21話 ページ23

「……ごめん」



謝罪すると、何故か御影玲王は驚いていた…





御「あっいや…その…

俺の方こそ、悪かった!!あの時…失礼なこと言った…」





彼は真っ直ぐ目を見てそういった……


まさか、こんなに素直に謝ってくれるとは思ってもなかった。




御「…お前から謝らせるつもりは無かった…


ただ、挨拶したかった…」



「…え?」




予想外の言葉を聞いて、唖然とした…


…私はずっと彼を勘違いしてたみたいだ…





「……なぁんだ、そういうこと…

御影くんって以外に不器用な所あるんだね……知らなかった」






仲直りができ一安心して、バインダーに目を落とす…



すると、彼は私の持っているバインダーを人差し指で下げて…

顔を近づけてきた。


私も必然的に顔を上げ、距離が急に近くなった…。





御「…玲王」




「…へ?」




御「…玲王って呼べ…」




「………玲王くん?」




不服そうな顔をしたかと思えば、頭に手を置いてガシガシ撫でた…


髪の毛ぐしゃぐしゃになる!





「ちょっと!?…何すんの!?」



御「…ふっ」



私の方へ伸びてる彼の腕から見えたのは…

そんな顔出来るんだ…と思うくらいの緩い表情…


なんか、こっちが恥ずかしくなった…。




「…そう言えば、2人の所に行かなくていいの?」



御「忘れてた…フィールド場だったな」



「…うん、早く行っといでよ…待ってると思うよ」



御「…後、どんくらい?」




そう言いながら、バインダーを覗き込んだ……不思議に思い首を傾げる…




御「…特別だ…俺も手伝う」



「いや、でも…」



御「いいから!!

ほら、さっさと終わらせるぞぉ?」



「…うん」




という事で、2人で点検の続きをする事に…

怜王くんが手伝ってくれたお陰でかなり早く終わった…




「…助かったよ…ありがと!」




玲「……っ!?

別に、俺の勝手でした事だし…」




「はいはい……それでも、助かったよ?」





玲「…そうかよ…



そんじゃ、俺はフィールド場に行くわ…



またな、夢主」



「…うん、じゃーね」



初めて、名前を呼ばれた気がした…

…これでようやく玲王くんと仲直り出来た…

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