12話 ページ14
いよいよ、1次選考の最終戦の前日……
試合を控えている選手はピリっといていた…無理もない…
これで負けたら、夢は終わるから。
いつもの様に、一通り仕事を終え…
誰もいない食堂へ向かった…今日は少し寂しく感じた…
「…気のせいかな…」
食べ終え、自室に向かおうと廊下を歩いていると…
いつもは誰もいないはずのフィールド場の自動ドアから光が漏れていた……
気になって、フィールド場を覗いてみると……潔くんが、何やら沢山のボールを1人で片付けていた……
「……潔くん?」
潔「あ…おぅ、お疲れ…夢主!」
険しい顔で片付けしていたのに、私を見ると笑顔になった…
思わず、私もサッカーボールを拾いに行った。
「手伝うよ?……明日、試合でしょ?」
潔「あ、ありがと…」
ボール拾いが終わって、壁際に腰を下ろしている潔くんにタオルとドリンクを手渡した…
潔「……サンキュ…」
「…明日で……1次選考、最後だね」
潔「…あぁ」
私も潔くんの隣に腰掛け…フィールドを見渡した。
潔くんはタオルを頭に掛けて、俯いていた……明らかに元気がない…こういう時、どうしていいか分からない。
潔「…俺さ………明日勝てると思う?」
「…さぁ、どうだろ…
正直に言って、実力差はあると思う…」
潔「…やっぱり、そうだよな……」
凪くんのいるチームVは、今のところ負け無しで…
チームZの勝算は……無いかもしれない。
だけど………なんでだろう…
「でもね………チームZがって言うより………潔くんが負けるイメージがないんだよね」
潔「…えっ?」
さっきまで俯いていた潔くんは私の言葉に顔を上げた……
「根拠がある訳じゃないんだけど……
たまに潔くんの試合見てると、計り知れない可能性があるんじゃないかなって考える……
今はまだ、それが目覚めていないだけで…」
潔「…そっか…」
「ごめんね、無責任なこと言っちゃって…」
潔「いや、嬉しいよ!……夢主にそう言ってもらって!!
俺、明日頑張るから……応援しててくれ」
さっきまで、俯いた彼が私に向かってそう言った…
いつもの潔くんに戻って…ホッとしてる自分がいる…
そんな彼に私は静かに頷いた…。
潔「…ありがとう、夢主!
じゃあ、俺……そろそろ寝るわ…
その、おやすみ」
「…うん、おやすみなさい……」
挨拶を交わして、廊下へと歩き出す潔くんの背中に…
私は微笑んだ…
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乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します!私、逆ハー&大好きで…めっちゃ嬉しいです!ブルロのキャラたち全員かっこいいしかわいいですよね!無理せずに頑張ってくださいね! (2023年3月16日 15時) (レス) @page17 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
ユミカン(プロフ) - kaedeさん» コメントありがとうございます!!ですよね!!潔くんかっこよくもあり可愛いんですよ!! (2022年12月19日 22時) (レス) id: d937bb32a6 (このIDを非表示/違反報告)
kaede(プロフ) - 潔くん可愛い。めちゃわかる() (2022年12月19日 19時) (レス) @page50 id: 92efcba7a4 (このIDを非表示/違反報告)
ユミカン(プロフ) - noche/ノーチェさん» コメントありがとうございます!読んでいて、とても嬉しく感じました!!今後ともこの作品共々よろしくお願いいたします! (2022年12月8日 21時) (レス) id: d937bb32a6 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - コメント失礼します!主様の小説の書き方がとても好みで、お話の内容も筋が通っていてとても素敵です!!夢主ちゃんの過去とキャラの展開がとても楽しみですね。無理をなさらない程度に頑張ってください!応援してます!!失礼しました。 (2022年12月8日 21時) (レス) id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユミカン | 作成日時:2022年12月6日 13時