48 : 特級のオンナの趣味 ページ6
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ポンポンと胡散くさい笑顔で自分の膝を叩く、夏油先輩はスルーして。
ちょっと嫌がるナナミンと雄の間、無理矢理お尻を割り込ませれば、最強はまたしても舌打ちする。
「お前、俺らからは散々逃げてるわりに、七海と灰原には距離感バグッてね?」
『何故ならそれは安全パイだから』
「そうかな。七海と灰原だって男だよ、A」
「大丈夫です夏油さん! 俺達はもしAと同じ布団で寝たとしても、そういう気になったりしません!」
「私も、灰原に異論はありません」
『安全パイとか自分から言っといてごめんだけど、何かそれはちょっと複雑な女心』
めちゃくちゃ良い笑顔でそんな宣言をする雄と、平常運転のナナミン。
まあ確かに二人には、いわゆる " 女子 " と思われてはいないんだろうが。
すると五条先輩が、小さく鼻を鳴らす。
「は。見る目ねーのな、雑魚は」
「……と、いうよりも………特級の女性の趣味が、普通でないのでは」
「あ"'あ'?」
『すげーナナミン、煽る煽る』
普通でない、って言われ方が自分を指しているらしいことには、少々不満もあるけども。
まあ確かに。
今でもこの状況、壮大なドッキリだと思ってるしね。
女なんか選びたい放題のこの特級達に、やたらと絡まれてる件については。
ウム、と一人納得などしていれば、「しかし」とナナミンが続けた。
「………恋愛対象としてはともかく、」
「Aは俺達の大事な大事な仲間で、親友ですから! 尊敬してる先輩達だとしても、そのセクハラからはAを守りますよ!」
「はいA。あーん、してごらん」
『今の力説を聞いてなかったのかな?』
せっかく同期の二人が、私への愛(?)を語ってくれたというのに。
前髪先輩すげえ。
確信犯的に、空気読まないどころか無視したよ。
雄を越え、私に向かって差し出されたフランクフルト。確かに美味しそうだけれども。
「いただきます!」
「灰原……」
ガブリと一気にその半分を、雄が自分の口の中に収めた。ふふん、うちの小学生ナメんな?
「アハハハ! 傑のちっちゃ!囓られてやんの!」
『最強はいい加減、そこから離れろ?』
その後、五条先輩が反対側から差し出したチョコバナナは、というと。
ナナミンに何度も払われた挙句、最後はその本人の口に、無理矢理突っ込まれたのだった。
……………ナナミンつよ。(尊敬)
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ひよ(プロフ) - ナミさん» ナミ様、こちらの話し作品にまでコメント頂き、本当にありがとうございました!嬉しかったです♥️ (2023年4月8日 14時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - コメント失礼します。すごく面白かったです!最後まで面白いです!!最高です(^^) (2023年4月8日 10時) (レス) @page50 id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - みーちゃんさん» みーちゃん様、はじめまして!完結済みのこちらにコメントして下さって本当にありがとうございます♥️ めちゃくちゃ嬉しかったです!お気に召して頂けたようで、光栄です! (2023年3月27日 16時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん - 最高過ぎます...。オチが夏油サマと五条サマが交互にいらっしゃる(語彙力)のが最高過ぎますしTT最後の話もおもろくて最高···尊い (2023年3月27日 15時) (レス) @page50 id: 242dc6d800 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 夜月さん» 夜月さま、最後の最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました♥ 頂けたコメントのおかげで、何度助けられたかわかりません…!私もこの夢主、書きやすかったです(笑) また気が向かれましたら、新作も宜しくお願い致します! (2023年1月23日 20時) (レス) id: 03402cf4a3 (このIDを非表示/違反報告)
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