二人の特級術師に何故か狙われています。【呪術廻戦】

4 : 天才と何とかは紙一重 ページ5

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『なんっっって平穏な朝……！』



高専寮の食堂に向かう時は基本、忍び足のワタシ。

出来るだけ気配を消し、壁の陰からまずはその内側を覗くのが、平常運転だ。



そーっと巡らせた視線の先には、やる気ゼロの表情で、そのわりには腕を使って大きな○を作る先輩が1人。


っしゃ！と拳を握ってから、その先輩の元へと駆け寄る。



『硝子先輩、おはよーございます！』


「おー、はよ」



座れという意味だろう。

くい、と顎で示された向かいの席に、朝食のトレーを置いて座った。


嗚呼、今日は朝からツイてる。良い一日になりそうだ。



「上手くいきゃ明後日くらいまで、Aも安泰かもよ」


『まじすか。あの人ら任務？』


「確か、場所が結構遠かった記憶だけど」



味噌汁に口を付けてから、思い出すように頭を傾けて硝子先輩は説明してくれる。


何それ朗報。
今日は護衛いらんな、後で雄とナナミンに報告しておこう。



ひとつ上の硝子先輩はつまり、あのクズ達の同級生である。

でもあそこまではイカれてないと思う、うん。
そう願う。←



校内で堂々と喫煙するくらい、何だと言うのだ！
あの最強変態コンビに比べればカワイイもんだ！


あ。申し遅れましたがワタクシ、家入硝子ガチ勢。



だし巻き卵を綺麗に箸で割りながら、硝子先輩は肩を竦めた。



「まだあのクズ共に襲われてんだって？ はは、ウケる」


『全くウケねーですよ』



前言撤回。

やっぱ黄金世代の考えは、平々凡々には理解できない。


でも天才って、何とかと紙一重とも言うよな。(思いつく限りの悪口)



『大体あの人達、女なんかその辺で選び放題、食い放題じゃないですか』


「あーまあ、だろうね」


『そこで何故ワタクシか、って話なんですよ…！』



ダン！とテーブルに拳をぶつけたら、3時の方向・2m先から、抗議の念が込められた視線が矢のように突き刺さる。


あ、ごめんナナミン。
ついエキサイトしちゃった、朝から。(土下座)


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