二人の特級術師に何故か狙われています。【呪術廻戦】

32 : 私が悪うございました ページ33

・





『………』


「うーん………これは参ったね」



いや、あまり参っているようには見えない。

いつもなら即座にそうツッコむところだけども、今はやめておく。


何故ならば。



「まあ、Aが呪いをくらったせいではあるんだけど」


『すみませんほんとすみません。本気で反省してます今だけは』



珍しく素直に謝る私に、夏油先輩はふふ、と笑った。

こんな状況でも余裕があるように見えるのはアレか？ 特級だからか？





この前、同行した任務がうまくいってしまったからだろう。


不本意ながらその後ちょいちょい、特級サマ達の任務に借り出されることが増えてきたのだ。



「いいなあA、勉強になるね！」と悪気ゼロで羨望の眼差しを向けてくるのは、同期の灰原雄。


………ちなみにノーコメントで憐(あわ)れみのそれを向けてくるのが、同じく七海建人。

もちろんこの場合、ナナミンの反応が正しい。





今日は前が、……じゃなかった夏油先輩の任務に、おまけとして付いてきている。


雑魚の私に求められるのはただひとつ、呪霊の感知のみ。

だから今日も、サクッと夏油先輩に呪霊の位置を教えた後は、安全第一で隠れるつもりだったのに……！



『つか、あいつ小賢しいんですよ呪霊のくせに！雑魚術師から狙うとか、それでも1級呪霊かよクソが！！』



「まあ、攻撃のセオリーではあるよね。私でもそうする」


『はい！ ですよね、すみませんほんっっと』



正論過ぎて土下座。

がっくりとうなだれた私の頭にのせられたのは、夏油先輩の大きな手で。



「はは、からかっただけだよ。Aのせいじゃない、私がAを守りきれなかった方が問題なんだ」



だから気にしないで、とそのまま頭を撫でられる。

もっと怒られると覚悟していた私が拍子抜けするほどに、それはそれは優しく。



『夏油先輩……！』


「惚れ直したかい？」


『いややっぱそれはねーですごめんなさい』



………………もうこのくだり飽きたよ。(遠い目)


・

33 : しないと出られない部屋→←31 : 24時間、365日

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す