風柱、拾いました【不死川実弥】

Count Down , ３… ページ34

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土曜日は、半日をかけて京橋を巡り。


昨日の日曜日は少し疲れを癒やそうと、近場の温泉を日帰りで楽しんだ。(残念ながら混浴は全力で拒否されました)



せっかくの温泉、一泊くらいするつもりでいたのだけれど＿＿＿＿



『実弥さん、遠慮したんでしょ』



ダイジョブ私これでもまあまあ稼いでるから！と説得は試みたものの、実弥さんが乗り気になることはなく。



「別に遠慮した訳じゃねェよ、今更」


『じゃあ何で』



温泉で心も身体もほぐれたせいか、いつもよりゆっくりめに起きた今日は平日、月曜だが。

有給休暇バンザイ…！


「俺も寝坊したわァ」と苦笑した実弥さんと、向かいあってブランチ中 at 自宅。



少し恨みがましく問いかけた私(だって風柱と温泉旅行したかったし混浴もワンチャン狙ってた)に、実弥さんは眉を寄せた。

おォよ、言い分があるなら聞こうじゃないか。



「……泊まりだと、同じ部屋で寝ることになんだろが」



そこには何だか少し、気まずそうな色。
え、だって………



『もう二週間以上、ひとつ屋根の下で過ごしてるのに？？』



それこそ今更じゃね？と疑問符だらけになった私に、実弥さんは小さく舌打ちを投げる。心外。



「この部屋なら一応、寝る場所は分かれてンだろが」


『いやまあ、厳密に言えばそうかもだけど』



ギリギリ1LDKという間取りの、この我が部屋。

私は寝室、実弥さんはリビング………といっても正直、狭いそこ。



『同じ部屋で寝てるのと、あんま変わんなくない？』



率直な感想を述べれば、舌打ちはもう一段大きく響く。いや、だから心外だって。



「戸があンのとねェのとじゃ、全然話が違ェだろォ………お前はもう少し危機感持てや、野郎に対して」


『………え？！』



……それって！
それってもしかして！！



『も、もし同じ部屋で寝たら………実弥さんが襲ってくれるかもしれない、ってこと？！』


「襲ってくれるって何だ」



ああっ………頂きました大好物、風柱の呆れ顔と呆れ声ェ……！



『よし。今からいっちょ寝直そうか、実弥さん』


「生憎、睡眠は十二分に取らせてもらったわァ」



そんな返しに、風柱リスペクトの舌打ちをかました私に。


実弥さんは心底楽しそうに、笑ってみせた。


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