風柱、拾いました【不死川実弥】

Day ６ ページ17

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さすがに片付けはしようと立ち上がれば、そもそもシンクは空だった。どうやら今使ったお皿やお椀だけを、洗えば済むらしい。



……………いや、調理中の汚れ物は調理中に洗う、とかさ。



『ほんっっと、出来る男……！』


「何か言ったかァ？」



いえ何でも、と返してスポンジを手に取った。



確かに私の妄想上…………書いている夢しょでも、風柱の家事スキルは高くなりがちだ。


だって6人もの弟妹が居た長男だし、父親は残念な感じだし。(恭梧さん悪口言ってすまん)

志津さんのお手伝いとか弟妹のお世話とか、絶対してただろうしね。間違いない。



…………ところで関係ない話ですが、ご両親のお名前までをも知っていた私を見る不死川さんの目が、何とも形容し難い感じだったことだけは、お伝えしておきます。



『そーそー、良さそうなの買ってきたんだよね』



美味しそうな(いや実際美味しかった)夕飯を前にしてつい、渡すの忘れてたわ。

持ち帰った紙袋を手にし、ソファでテレビを眺めていた不死川さんの隣へと座る。



『不死川さん、字の練習したいって言ってたから』



はいこれ！と、意気揚々と差し出したのは数冊の＿＿＿＿



『待っっってイタイイタイイタイ、何で風柱渾身のアイアンクローくらってんの私？！』


「……生憎だが俺ァ、字は書けずとも読めはすンだよ……！」


『そんなん知ってるよ！ 風柱推しナメんな！』



これが例のアレ？！ いわゆる「全集中の呼吸」パワー？！
頭蓋骨が物理で割れそうなんだが！！



今朝の会話で、「暇な時間に、字ィ書く練習でもすっかなァ」なんて言っていた不死川さん。



確かにこの現代日本において、「字が書けない」という人は限りなく少数派かもしれない。

だから不死川さんが、いつ元の世界に戻れるのかがはっきりしていない以上、字を書けるに越したことはないだろうと。



『だから練習用のドリル買ってきたのに……！』


「…………" はじめてのひらがな 3・4・5さい " 」


『ごめんなさいごめんなさい、そこに悪気は無かったまじで！』



親切心が裏目に出た感じ！
信じて？！


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