風柱、拾いました【不死川実弥】

Day ６ ページ16

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『ただいま帰りました！』


「おォ、おかえり………………どしたァ？」



目の前の光景のあまりの破壊力につい、膝から崩れ落ちた。



『……自分ちに帰って来たら、風柱が出迎えてくれるとか？………何のご褒美……？』


「お前それ、何度ほざくつもりだ」



その呆れ顔ほんっっと、仕事で疲れた身体に染み渡るんだが。ご馳走さまです！(？)








風柱・不死川実弥さんを拾って(言い方)から、早6日。



あのっ………そこの風柱推しの皆さん……！


「風柱は頭の回転が速い」「器用である」なんて見解、持っていませんか？



………………合ってます！ それ！！



『うわ、また夕飯出来てる！』


「簡単なモンで悪ィ」


『十分だよ………風柱の手料理とかっ……！』



高級レストランにも勝る…………いやもう、プライスレスだろこれ。

肉豆腐、ほうれん草のおひたし、ご飯に味噌汁が並ぶテーブルが、キラキラ輝いて見える。(強めの幻覚)



「全力で風柱を保護する」と決めたこの前の週末から、まず不死川さんに、この世界に慣れてもらうべく始めたこと。



『今日は何か困ったことありました？』


「だいぶ覚えてきたなァ、使い方は」


『さっっすが』



IHコンロや給湯器、お風呂に洗濯機に炊飯器と後はそれから。



「……ただこの「電子レンジ」っつうのだけは、仕組みがわからねェ」



ボヤくようにそんな感想を述べながらも、肉豆腐のお皿を「レンジ」の中へと入れて操作する手つきは、慣れた風に見えるけれど。



『大丈夫。現代人の私も、よくわかってない』



手洗いうがいを済ませ、テーブルにつきながらそんな風にフォローすれば、軽く竦められる肩。



「ふはっ………そら大丈夫とは言わねェだろ」


『いんだよ、頭の良い人がわかってれば』



小さく吹き出した不死川さんのそんな反応すら、嬉しくて堪らなくて。

もう一度笑い合ってから、どちらからともなく手を合わせる。


さあ、ご一緒に。



「『いただきます』」



仕事を終えて帰って来たら、美味しそうな夕飯と風柱。



『………やだもう、新婚さんみたい！』


「寝言は寝てから言えやァ」



うふふふふ、と我妻善逸並みに気持ち悪く笑った私に、不死川さんはまた呆れたように眉を寄せた。


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