68 : 師匠として在ろう ページ29
side 不死川実弥
「……ッ、カァァァ!! 胡蝶シノブ! AA! 栗花落カナヲ! 嘴平伊之助! 4名ニヨリ!上弦ノ弐、撃破!! 撃破ァァァーー!!!」
「………っ?!」
ここへと落とされた際、Aを見失った。
鴉達の情報では、それぞれが上弦と対峙していたらしく、1番最初に訃報が入ったのが胡蝶。
(壱が、柱3人でもギリギリだった………弐も相当な手練に違いねェ)
胡蝶とA、後は若手の隊士が2人………戦力としては厳しかったはずだ。
Aの情報は、それ以上無い。
無惨の元へと走り続けていたオレの背後から、聞き慣れた声が追いかけてくる。
爽籟だ。
「……ッ、風花ニ会ッタ! Aマダ生キテル!」
「怪我の程度は」
「詳シクハ聞ケテナイ! デモA、痣ガ出タ!」
やっと出したかという、師匠としての思いと。
出てしまったかという、1人の男としてのそれ。
(………やっぱりオレは、アイツに甘ェ)
今はただ師匠として、鬼殺隊の同志として。
自分は在るべきなのだ。
「A達モ、無惨ノ居場所ヘ向カッテル! 実弥モ急ゲ!!」
「チィッ………わーってらァ!!!」
クン、と速度を上げたオレから、爽籟は素早く離れていく。
A。
腕や脚ぐれェ失くしても、生きてりゃいい。
どんな姿だって、オレはお前を。
その時、周囲の床や壁が嫌な音を立てた。
まさかと思った瞬間、身体は既に宙に浮いていて。
(何が起きている)
アイツらは一体どうなった?!
「………っA!!」
姿など見えないのに、その愛しい名を思わず叫んでいた。
(………オレにはもう、アイツしか)
Aしか、残されてないというのに。
もしもAまで。
「ンなことしてみやがれェ…………恨むどころか、切り刻んでやらァ。………神様とやらよ」
崩れ落ちていく城の中、オレは1人天に向かって、そんなことを呟いていたのだった。
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ひよ(プロフ) - すみっことかげさん» すみっこさん、こんにちは! お忙しいのに一気読みまでして頂き、、申し訳なさとありがたさで泣いています…!ちょっと……師匠とは誰のことかわかりかねますが(すっとぼけ)、私もすみっこさんのお話を応援しておりますので、更新頑張って下さい♡ (2022年7月18日 16時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - はなちゃんさん» はなちゃんさん、こんにちは!コメントありがとうございます! すっごく嬉しいです♡ 「とっくに」まで読み返して頂いたとは……キャラ同士の掛け合いは意識して書いているので、そんな風に感じて頂けるのは本望です…!また友限のお話でお会いしましょう♡ (2022年7月18日 16時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 凜音さん» 凛音さま、はじめまして!コメントありがとうございます♡ 読んで頂いた上、そんな風に言って頂けて泣きそうです…! はい、私も凛音さまに新作通知を出せるよう、妄想に励みますね!(変態っぽくてすみません)またお会い出来ることを楽しみにしています! (2022年7月18日 16時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 那拓さん» 那拓さま、はじめまして!コメントありがとうございます嬉しいです♡ おお、原本の方もお読み頂いたんですか、、読みにくくて申し訳なかったですが(泣)、、そんな風に言って頂き本当に嬉しいです! (2022年7月18日 16時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - あさひゆうひさん» 本当に忙しい時だったのに、、読んでくれてありがとうございました(泣) そうね、師範の連載終えた頃にレッド2にコメ行ったんだよな、確か。あの頃は、まさかキミとこんな関係性(意味深)になれるとは思っていませんでした…!! 内容まで覚えててくれて愛しかねえ!! (2022年7月18日 16時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
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