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2月14日___男子も女子もソワソワするこの日。
教室のドアを開けると、前原がひなたにチョコを渡そうとしていた。
「なにしてんのあれ」
ぶっちゃけわかっているが、近くにいた木村君に問い掛ける
「昨日岡野が前原にチョコ用意してたらしいんだけどさ、前原はそれを知らずに囮暗殺を試みたらしくて」
「なるほど」
ひなたは騙されるのが嫌いだ。それだけじゃなく…前原に、好きな人に勇気を踏みにじられたのだ。怒りと悲しみが同時にあるだろう。
私がやられたらそれはもう泣く。号泣です。
なんなら学校休むわ
*****
「前原も馬鹿だよねー」
「ひなたって見てればわかりやすいのにね」
「お、ひなたちゃんが照れた」
昼休み、教室の外から2人を見守る。
脈アリ気な前原のセリフに女子はニヤけが止まらない。ともかく、一件落着したようでよかった。
「ところでさ、Aはカルマ君にあげないの？」
まだ渡してないよね、と首を傾げる桃花。
その通りだ。まだ、鞄の中に眠っている。
「帰りに渡すよ」
ちゃんと、想いを伝えたいから。
最近好きって口にしてないしね。
「その真剣な眼差し…まさか…」
「告白するの！？」
「いや……今更じゃない？」
テンション爆上げな陽菜乃と桃花にメグがツッコミを入れる。本当に、私がカルマ君を好きだなんて今更だ。でも、この機会にちゃんと好きって言いたい。いつもは適当にあしらわれていたけれど、本気だと、伝えたい。
だから、彼の用事が終わったら___
*****
日も暮れる放課後。
校舎からカエデが出てきたのを見て、私は彼のいる方へ歩き始めた。
「お、Aじゃん」
莉桜が私に気付き、気を利かせてその場を去った。
心臓が、うるさい
「…何か用？」
地面に腰を下ろす彼の正面に、私も膝をつく。
顔に熱が集まるのがわかる。
鼓動もどんどん速くなっていく。
私は目を閉じ、ゆっくりと開けた。
そして、真っ直ぐ、彼の目を見て___
「カルマ君が好きです」
言葉と同時に持っていた紙袋を差し出した。
彼は、それを受け取り、そっぽを向いた。
「知ってる」
「だよね」
緊張が解け、自然と笑顔になる。
「じゃ、渡したかっただけだから！」
「は、ちょ！」
制止の声を無視して、私は逃げるように走った。
答えを聞いてしまったら、
決意が揺らいでしまうから。
"私"を手放せなくなってしまうから___
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みゅー - 番外編がものすごく楽しみで仕方ないです！この作品は心に響きました。気づけば目から涙がひとつ、ふたつとポロポロ流れ落ちていました。それくらい、この物語に引き込まれていたんだと感じます。このような素敵な作品をありがとうございました！ (2020年5月13日 20時) (
レス) id: 5f57d7ba9d (このIDを非表示/違反報告)
紅楓(プロフ) - 涙腺がああああああ！はい、凄いですね。続編、待っております！ (2020年5月9日 13時) (レス) id: 082dab1426 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 完結おめでとうございます！みんなの性格を言っていって、思い出を振り返るところ泣きました…。面白かったです。 (2020年4月18日 19時) (レス) id: 99b0958fb1 (このIDを非表示/違反報告)
神崎葵。(プロフ) - 泣きました。完結おめでとうございます。しばらく泣きます。 (2020年4月10日 19時) (レス) id: 5d39630b57 (このIDを非表示/違反報告)
うりよ - ガチめに泣きました。完結おめでとうございます。他の皆さんのように、番外編が見たいです。 (2020年4月3日 15時) (レス) id: 21c35aca73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜桃 | 作成日時：2019年12月28日 9時
