教授の彼女

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待ちに待った翌日


気持ちはさながら決戦当日



少しでもよく思われたくて


シワのない綺麗なシャツにベスト、メガネも気合を入れて磨いてきた



いつもの席でパソコンを開き作業を進める


昨日の撮影で大先生から

「エーミールなんか気持ち入ってないんとちゃうん？」

なんて言われるくらいには緊張してしまっている



「気合い入ってるね江見さん」


「ははは、そう見えますよね」


「今日こそ会えるといいですね」



キッチンに戻って行ったマスター


約束したようにモーニングのバターを塗った分厚いパンを口に含み咀嚼しながらパソコンをいじった



私は大学の教師、つまり講師をしています


今度の講義で使用する資料を作成しましょう



・

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・


パソコンを向き合って数時間


少しお店が賑わってそろそろお昼の時間だと気づいた


パソコンを閉じてメニューをみた


割とお腹は空いてますしガッツリ食べましょうかね



マスターおすすめと書かれたオムライスを一つとコーヒーのおかわりを頼み、


それから、


「マスターすいません

　もし、もし仮に彼女がきた時は、

　今日は寒いですし、ホットココアを出していただいていいですか？あと、彼女がよく頼む甘いものを」



この前のコーヒーのお礼に



食事ができるまで窓から外を見ていた



ぼーっと腕を組みカップルを見て思う



彼女もいたことはあったが、

付き合う理由とか特にわかっていなくてそういう年齢だったからその時にそこそこ話していた女子と付き合いはした



けどそんなもの長続きしないことは明白ですぐに別れた


しっかりと、この人がいいとかこの人じゃなきゃ嫌とか思って付き合うだなんて想像もつかない



故に独身なんやろうけど



あー…好きになるってなんやろうか


好き、愛情、

赤の他人に向けて？


「…わからへん」


こればかりは勉強のしようがない


恋愛の仕方は人それぞれ


それじゃ困るやん



教えてや、どうするのかを



「教科書とか、参考書とか、、ないんやろかぁー…」


「あの…」


「はいぃ！！！」



チョンチョンと背中を突かれて振り返る



飯が届いたんやろか

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