【第五人格】邪眼を持つ者 (ページ25)

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21話ページ25

久々の景色に心を踊らせながら病院へと向かった

『こんにちは！』

｢301の患者さんだけど…｣

｢15番でお待ちの〇〇様｣

｢そこのカルテ取ってちょうだい｣

『え？あ、あの…すみません』

｢そういえば菫園さん今日診察の日じゃなかったかしら？｣

｢遅いわね…｣

『あの、このにいます！』

｢いつもはもう来てるのにね…｣

『そんな……』

私のことを無視しているの？でもありえない…これだけの人がいて誰もこっちを見ないなんて……

でも義父母なら…と思い2人の病室に向かった

あの女が言ったことが正しければ2人の目は覚めているはずだ

『父さん母さん！』

｢せっかく目が覚めたのにあの子に会えないなんて…｣

｢心配だわ…｣

｢大丈夫ですよ。今職員が探しに行っていますから｣

｢見つかるといいのだけれど…｣

やっぱりダメだったか……

諦めて私はその場をあとにした

街を歩いていると視界の端に怪しい影が映ったり
人に黒いモヤがかかっているのが見えてとても不愉快だった

『そういえばあの時貰った…』

私は懐にしまっておいた布を取り出し試しに目を覆ってみる

『目を覆っているのに見える…？』

その布を隔てて見ると黒いモヤなどが見えなくなった

『これなら大丈夫ね』

後にわかったことだがあのモヤは人の死を表しているようで濃ければ濃いほど死期が近いらしい

それからというもの行く宛もなかったので森の奥の廃屋に手を加えそこにひっそりと住んでいた

呪いのおかげが睡眠や食事を取らなくても平気だったので本を読んだりそんな生活を続けて10数年…

エウリュディケ荘園から手紙が来たのだった