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俺は一応患者だぞ? ページ7

「あ、A君。そこ棚の右から4番目にあるの赤い小瓶の薬品を取ってくれるかな?」

「あのなぁ……俺は一応患者だぞ?普通頼むかよ……?」

カルテらしきものを書きながらそう頼んでくる森さんに呆れつつ言われた通りに赤い小瓶の薬品を戸棚から取り出し机の上に置く。するとそう俺に指摘された森さんが苦笑して言う。

「確かにそうだけどねぇ……君とんでもなく回復力が早いから1週間で内臓が粗方治ってしまったからねぇ……だからつい……」

「確かに俺の回復力はおかしいがついっておい……」

理由があんまり過ぎてため息が出る。
俺は適当に近くにあった椅子に座りながら尋ねる。

「まぁ、別にいいけどよ。その薬品は何に使うんだ?」

すると森さんはニッコリと笑いながら口を開いた。

「秘密だよ」

「リンタロウキモい!」

「いい年こいた奴が言っても誰得だよ」

「二人共相変わらず辛辣!!」

ワっと泣き真似をする森さんをジト目で見る。本当にこの人医者なのかな。俺は耐え切れずに疑問を口にする。

「なぁ、森さんって本当に医者なのか?全っ然見えねぇんだけど?」

「えぇ!?全然見えないとか悲しいよ!?まぁ、確かに正式な医師免許は持ってるけど闇医者だからねぇ……」

「あぁ、確かに目が覚めた時に闇医院とか言ってたな……ふーん。だからそんな胡散臭くても信用があるのか」

「医者と納得してくれたのは嬉しいけど釈然としないね………」

しょぼんと肩を落とす森さんを無視しつつ赤い小瓶を手に取り蓋を開け薬品の匂いを嗅ぐ。うぇ…くっさ…
あぁ、因みに言い忘れていたがこの一週間の間満足に動けなかった俺は食事の時かエリスにねだられて遊ぶ時以外は殆ど寝ていたから特に変わった事は無かった。
俺はもう一度森さんに尋ねる。

「なぁ、この薬品は結局何なんだ?」

「……教えても良いけどどうせなら当ててくれたら面白いと私は思うよ?」

まるで俺がこの薬品について知っていると言う事を見透かす様に言ってくる森さんに舌打ちする。
チッ、とことん食えないなこの人。
俺は顔をしかめながら記憶に残っていた匂いを思い出して口を開く。

「これは多分だが毒だよな?」

「ほう…何故そう思うんだい?」

俺は面倒臭いなと思いながらもその問いに答える。

「そんなもん簡単だ。数年前にこの薬品と全く同じ匂いの物を飲まされた奴が目の前で死ぬのを見た事があるからだよ」

「……その話、詳しく聞かせてくれるかい」

俺の答えを聞いた途端真剣な顔になった森さんに少し驚きつつ俺はあの時の光景を鮮明に思い出す為に少し目を瞑った。

「あれは確かーー」

幕間→←代償は付き物


【桐崎君にとっての周りの印象】

乱歩:唯一異能で一度自分の事を忘れた筈なのに覚えてくれた人物。推理だけで自分との関係を割り出した乱歩の事は本当に凄いと尊敬している。


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那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 倉の中の石さん» ありがとうございます!思惑通りに暗い過去と思って頂けてついガッツポーズを仕掛けました(笑)続編頑張りますね!! (2019年7月8日 0時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石 - すごく面白いです。こんなに自然な暗い過去は久しぶりに見ました。続編も頑張ってください。 (2019年7月7日 17時) (レス) id: 873805d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 鶴さん» 読んで頂きありがとうございます!更新頑張りますね!! (2019年7月7日 14時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです!更新頑張ってください!応援しています! (2019年7月7日 14時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@スマホ使用不可で低浮上中(プロフ) - 夜美さん» ありがとうございます!まだ推敲中ですががんばりますね!! (2019年7月5日 20時) (レス) id: a29dbc7b52 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:那戯田沢 亜須 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年4月19日 20時

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