《カラ松》花と本音と君と。 ページ7
「うぉええええ...」
はじめて口から花弁が出てきた時は驚いた。今でも鮮明に覚えている。気分が悪くなってトイレで吐いた。唯一この事を知るおそ松が私の背中を優しくさすってくれた。
「ごめんな、俺なんもできなくて」
「ううん、こうして支えてくれてるじゃん!!」
悲しそうな顔をするものだ。そんな顔見たくないな、という思いで無理やり私は笑顔を浮かべた。
やれやれとおそ松は私の頭をぽんぽんと撫でた。時折見せる兄の顔にドキリとする。お兄ちゃんやってんなあ、なんて。
「もう大丈夫そ?」
「うん、ありがとう。おそ松」
トイレから出ると心配そうな顔持ちの彼が立っていた。ずきり、と何処かが痛む。その原因など容易く思いつくのだけれどそれに、そっとベールを被せて目を伏せた。
「体調悪いのか、A」
「いつものドヤ顔はどしたの、カラ松」
「今はそんな事言ってる場合じゃないだろ...。何処が痛いんだ?頭か?お腹か?あ、もしかして生理...」
「はっ倒すよ!」
少しのボケも挟みつつ和ませてくれるカラ松に安心する自分と苛つきを覚える自分がいる。紛れもない事実。
私達のやり取りをただ黙って聞いているおそ松。私を支える手に力が入っていた。
ごめんね、おそ松だけに辛い想いさせて。
「あ、mommyがりんごを用意してたぞ」
「え、まじ?俺の分ある?」
「さあ?早く行かないとトド松が狙ってたなあ...」
早く言え!とおそ松は物凄い速さで廊下をかけて行った。いつの日か、どうしてそんなに食べ物に執着するのかと尋ねたことがある。答えはいつ食べられなくなるか分からないから、だそうだ。彼らしいというか...脱力したのを思い出し、少し笑ってしまった。その時の真剣そうなおそ松の顔ときたら...
「...A」
「えっ、あー、ごめん!ちょっと懐かしい思い出が...。りんごだったよね?急ごう、なくなっちゃうよ!」
カラ松の普段より少し低い声で我に返った。彼に背中を向けてみずみずしいりんごの元へと急ぐ。
が、手首を掴まれる。はて、どうしてか。疑問を片手に振り返ると彼の真っ直ぐな目線が遠慮なく襲い掛かってきた。
「...どうしたの、カラ松」
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百済(プロフ) - 皆様のコメント有難く読ませて頂いております…!亀更新ではありますが、よろしくお願いします!m(_ _)m (2018年1月28日 22時) (レス) id: fe9dde1d5a (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - なける( i _ i ) (2018年1月6日 21時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
朱華 - おおおおお!!!カラ松格好いいよ!! (2016年8月28日 12時) (レス) id: 24638162af (このIDを非表示/違反報告)
百済(プロフ) - ユウさん» 全然大丈夫です!いくつでもどうぞ^^ (2016年4月8日 18時) (レス) id: 47be61fde2 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - リクエストしたいんですけど…今どれくらいリクエスト来ていますか?あまり多いと大変かと思って…落ち着いたらまたリクエストさせて頂きますけど… (2016年4月6日 22時) (レス) id: 21be5ef3c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:百済 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/54efcae0b51/
作成日時:2016年4月2日 20時