《一松》ほんとはさ ページ15
「いやもう俺は死ぬ。」
そう言って彼は窓枠を掴む手にぐっと力を込めた。今離せば反動でパチンコのように飛んでいきそうだ。何がなんでも話しちゃいけない。このひょろっこい腕を。
「死なないで…!」
「無理、俺はもうダメだ…あんなの聞かれたら…」
一松くんの腕を使っての綱引き。長期戦により、両者息が切れる。なんと言っても彼は首を横に振るばかり。ここまでくると、彼の頑固さが目に余る。痺れを切らした私は彼の襟元をぐっと引っ張った。
「少し黙ってて」
我ながら大胆な行動だったと思う。もうあの一松くんに好かれるための私はいない。
襟を掴んだ私は、彼の気をとびおりることから逸らし、話を聞いてもらおうと、彼の口に半ば無理やり自分の口を押し当てた。
彼は目を白黒させている。
「こういうこと、だから…その、一松くんが好きなの。さっきの言ってたこと嬉しかった…。でも、ほんとはあんな女子っぽい感じじゃなくて…ガサツで…こういうことできちゃうっていうか…」
「…好き」
「え?」
「今のあんたの方が数倍好き…。」
へなへなと床にへたり込んだ彼を見下ろせば、頬は高潮し、目尻に涙を添えて、なんとも色っぽいような…。
(何考えてるんだ、私!?)
「今ので完全に持ってかれた…、やっぱ俺、あんたが好き」
「でも…ガサツだよ?おっさんだよ?」
「今のアンタの方がイキイキしてる。その方がいいと思う、俺的には」
そして、彼は立ち上がって私の目の前に立って、にぃと口元を歪める。
「アンタのちゅー、最高だった。もっかいして」
面と向かって言われた言葉に体温があがる。いくら私でもあんなことは軽々しくしない。
「あれは非常事態だっただけで…」
「じゃあ飛び降りる」
「え?!それはずるいよ…!」
「してくれる?」
少し首が傾いて、妖しく彼は笑う。そのなんとも言えない表情に、ぞわぞわと背中が粟立つ。
「…一松くんの方がよっぽど…、」
「なに…?…っ」
意味深に言葉を区切れば、彼の腕を自分の元へ引っ張りこんで口付ける。
____一松くんの方がよっぽど可愛い。
彼にいえば怒られるだろうか。そっとこの一言を飲み込んで、目をつぶった。
____
久々に書きすぎて、キャラが崩壊してます。
すみません ;
★《カラ松》たまらなく愛おしい。1→←《一松》本当はさ(彼視点)
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百済(プロフ) - 皆様のコメント有難く読ませて頂いております…!亀更新ではありますが、よろしくお願いします!m(_ _)m (2018年1月28日 22時) (レス) id: fe9dde1d5a (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - なける( i _ i ) (2018年1月6日 21時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
朱華 - おおおおお!!!カラ松格好いいよ!! (2016年8月28日 12時) (レス) id: 24638162af (このIDを非表示/違反報告)
百済(プロフ) - ユウさん» 全然大丈夫です!いくつでもどうぞ^^ (2016年4月8日 18時) (レス) id: 47be61fde2 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - リクエストしたいんですけど…今どれくらいリクエスト来ていますか?あまり多いと大変かと思って…落ち着いたらまたリクエストさせて頂きますけど… (2016年4月6日 22時) (レス) id: 21be5ef3c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:百済 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/54efcae0b51/
作成日時:2016年4月2日 20時