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距離 Sside ページ47

「あのさ、ノート見せてくんね」

「どうぞ...。」









あの一件があってからAの態度や視線、言葉が急変した。

一体何を考えているのか俺にはさっぱりわからないが

あの一件が尾を引いているという事を察することは容易な事だった。









「A、髪の毛になんかついてる」

「えっ、あー、大丈夫大丈夫!自分で取るから」








髪の毛に手を絡ませて何かもわかってないものを振り落とそうとする。

じれったくなった俺が手を伸ばせば彼女は目を丸くして俺の手を避けた。

空で行く場所がなくなった俺の手がやけに寂しくみえた。








「Aちゃん、違うよ、こっちに...」

「どこ」







最終的にはザキが糸くずを取ってしまった。

俺が最初っから取っとけばよかった。

そうすれば...








「ありがとう」








と言うAの言葉が俺に対して与えられて俺は満足できたのに。

モヤモヤもするはじめての感覚に囚われながら平常心を保つ。







(なんだってんだよ...)









手元にあるAのノートを握りしめながら自分の席へと戻った。

ノートには規則正しく並んだ彼女の字がそっと佇んでいた。

指で横一列に並んでいる字を指でなぞりながらまゆを潜めた。








(女ってめんどくせェ...)








口から漏れるため息に気付いた土方といつの間にか教室に居た銀八が俺の顔を見た。









「...お前今日調子悪そうだな」

「恋の悩みですか、総一郎くん。」

「なんすかアンタら。なにか悩んでるって分かったんならほっといてもらえます?」









心配そうにこちらを見る土方この野郎と、この俺の状況を楽しんでいる銀八。









(大人もめんどくせェな。)








「俺は大丈夫なんで。心配どーも。」









銀八を睨みながらの感謝の言葉を銀八はへらりと笑って踵を返した。

今の顔は一体どういう顔なのだろうか。

挑発?宣戦布告?それともただ、馬鹿にしている?

俺の考えすぎか。

まだ俺の席の前にいる土方に目をやると瞳孔まっぴらきの目と合う。







「集中力かけるんで退いて欲しいんですが、土方さん」

「すまねぇ」






土方にしては潔い頷きと言葉。

おかしいのはAだけじゃなく土方もだ。

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百済(プロフ) - シナモンさん» 続編に突入させて頂きました!よければ読んでやってください…! (2018年3月24日 15時) (レス) id: fe9dde1d5a (このIDを非表示/違反報告)
シナモン - とっっっっても面白いです!更新待ってます! (2018年3月4日 18時) (レス) id: 65aef19a67 (このIDを非表示/違反報告)
百済(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!コメントとても励みになります!!今土台を作っております!頑張ります… (2017年8月1日 16時) (レス) id: bb23ef3dbe (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 凄く面白いです!次章も気になります!更新頑張って下さい!!応援してます!! (2017年5月19日 20時) (レス) id: 1847792d84 (このIDを非表示/違反報告)
百済(プロフ) - アルハさん» それは良かったです!! 少し多忙なので、それがひと段落ついたら第2章に進みたいと思っておりますので宜しくお願いしますm(_ _)m (2016年11月27日 22時) (レス) id: f608f6dd31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:百済 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/54efcae0b51/  
作成日時:2015年5月3日 18時

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