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いちいち気にしない ページ32

目を開けるとぼんやり見えてくる誰かのシルエット。









「わりぃ、起こしちまったな」








目を擦りながら重たい口を開いた。









「いえ、大丈夫です。お見舞いありがとうございます」









すると何処からか何かをぶつけてような音が聞こえてきてびくりと肩が揺れた。

銀八はドアの方を一瞥してから何も無かったかのように

持ってきていた袋からプリンを取り出して封を開けた。









「はい、あーん」









なんという自然な流れなんだろうと感心する。

スプーンの上で滑らかに踊るプリンは私の食欲をそそってきた。

ほら、とスプーンを揺らして私の口元に運ばれたプリンを暫く眺めてから

口を開いた。開いたのだが同時に病室のドアも開いて

先生の手から伸びるスプーンを咥えたままドアに目をやるしかなかった。









「何やってんだ、アンタら」

「何って介抱」









入ってきたのは学生服姿の土方君で目を細められた彼の顔は

引いているようなどうすれば良いのだろうかという戸惑いの表現が見受けられた。









「いや、絵面的にどうかと思うが...」

「なに、嫉妬?」

「ちげぇわ!テメェなんかに妬きたくねぇよ!」









先生は、はいはいとめんどくさそうに土方君の言葉を流しながら

何事もなかったかのように平然とプリンを食べた。

すると土方君の顔が赤くなるので私も先生も土方君を見据える。

察したように先生は少し顔を赤くして見事短時間で完食したプリンの容器を机の上に置いた。







「いちいち反応してんじゃねぇよ!誰も意識してやってねぇっつーの!」

「ぎゃー、ピュア方帰れー。けど、もじゃもじゃは死ね。」

「誰だ死ねつったの!」









入口の淵にもたれながら紙パックのジュースを飲んでいる彼は

ゆっくり私たちの元へ歩いてきた。








「よぅ、さっきぶりで。」







さっきとは一体どういうことだろうかと首を傾げていると

先生が居心地悪そうに顔をしかめ、帰るわという一言だけを残して去って行った。








「総悟お前帰ったんじゃなかったのか」

「面白そうなことになると思ったからちょっとそのへんうろついてたんでィ」








沖田らしい答えに土方君も私も苦笑いを浮かべるしかなかった。

新しい君→←お見舞い



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百済(プロフ) - シナモンさん» 続編に突入させて頂きました!よければ読んでやってください…! (2018年3月24日 15時) (レス) id: fe9dde1d5a (このIDを非表示/違反報告)
シナモン - とっっっっても面白いです!更新待ってます! (2018年3月4日 18時) (レス) id: 65aef19a67 (このIDを非表示/違反報告)
百済(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!コメントとても励みになります!!今土台を作っております!頑張ります… (2017年8月1日 16時) (レス) id: bb23ef3dbe (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 凄く面白いです!次章も気になります!更新頑張って下さい!!応援してます!! (2017年5月19日 20時) (レス) id: 1847792d84 (このIDを非表示/違反報告)
百済(プロフ) - アルハさん» それは良かったです!! 少し多忙なので、それがひと段落ついたら第2章に進みたいと思っておりますので宜しくお願いしますm(_ _)m (2016年11月27日 22時) (レス) id: f608f6dd31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:百済 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/54efcae0b51/  
作成日時:2015年5月3日 18時

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