【銀魂3z】王子様の裏事情。【沖田総悟】

邪魔者 ページ18

下駄箱から靴を引っこ抜いて強引に閉めてやる。

靴に足をねじ込んでつま先で地面を蹴ってやれば履ける。

私は今からザキの弁当のために買い出しに行くのだ。

あの可愛いザキの為ならなんでも出来る気がすると心の中で強く思う。









駐輪場に小走りで向かって鍵を開ければよっこいしょ、という声と共に乗り込む。

重たいペダルを振り込んで風に逆らいながら前へ進んでいくと

がっ、と何かに引っかかった音が聞こえた。

異常な音だ。普通ならしない音。









｢うーん、おかしいな！ちょっと太ったかなー！自転車が重いや！！｣









わざとらしく叫んでペダルを無理やりこごうとするが空振りばかり。

ロボットのように後ろへぎこちなく振り向けば笑顔の沖田様が。









｢おい、乗せろ｣









何様なんですか、この人。

人がるんるんで帰ろうとしてるところにいいタイミングで邪魔します？

運良すぎだよ、私。だが悪運だがな！









｢やだ！｣

｢てめぇに拒否権はねぇ。｣

｢ちゃんとある。知る権利があるなら拒否権もあるし黙秘権もある！｣

｢全部お前にはねぇ。｣

｢酷い！｣









無理やり荷台に乗り込んできて、早く進めと文句を垂らすドS王子。

ナチュラルに腰に手を回されて、うわっ、と女子からは出るはずのない野太い声が出た。









｢あれ、可笑しいな。俺は女子のチャリに乗ってる筈なんですけどねィ｣

｢聞かなかったことにしてくれる...？｣









振り向けばそりゃあもう腹立つぐらいのいい笑顔！！

ちっくしょぉぉぉ！！コイツに弱味を絶対に握らしちゃ駄目だと強く決心した帰り道である。

想定外→←ゲームオーバー

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