優しい少年と個性【ヒロアカ】 (ページ1)

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個性の出現ページ1

『ぱぱー！ままー！』

旅行で旅館に泊まっていた仲睦まじい家族。

笑顔で駆け寄る4歳ばかりの息子を、両親は愛おしそうに見つめた。

『みて！』

【？】ひょこっ

息子の後ろから顔を出したのは、可愛らしい子狐だった。

両親は直ぐに、それが息子の"個性"である事を察した。

母親「あらまぁスゴイじゃない、今日は旅館の人に頼んでお赤飯にしましょう」

父親「それはいいね！じゃあ結月の好きな食べ物も頼んでみようか」

二人とも、我が子の個性を喜んだ。

父とも母とも違う個性ではあるが、喜ばしい事に変わりわなかった。

『あのね！ボク、キミのなまえかんがえたの！だから、今日からキミは〝おぼろ〟だよ！』

母親「あらあら」

おぼろ……"朧"だろうか？

結月は母親の好きな朧月から名前をとった。

父親「難しい言葉を知っているんだね！？;」

『ぱぱやままがおしえてくれるもん！』

だよね〜？と朧に語りかける。

だけどまだ、この世に生を受けたばかりの個性が理解できるはずもなく…

【キュー？】

首を傾げられてしまった。

父親「明日は家に帰るから…帰りに朧の必要な物を買おうね。それでいいかい？」

母親「もちろんよ」

春の麗らかな日の光と優しいそよ風が、穏やかな時間を過ごす家族を見守る様に包んだ。