110 ページ13
男の人は不機嫌そうにカウンターの席に座り、｢マスター！アイスコーヒー！｣と怒ったように言った。
この人どこかで見たことある…と
じーっと後ろ姿を眺めていれば
｢おや毛利さん。今日は一段と機嫌が悪いようで、また夫婦喧嘩でもしたのですか？｣
｢あいつときたら本当に些細なことでネチネチネチネチと…こっちの気持ちも考えてもらいたいものですよ｣
｢も、毛利さん、って…｣
と、思わず思ったことが口に出てしまい
はっとするが、時すでに遅し…
毛利という男はこちらに体を向けると
驚いた顔を浮べた。
｢あ、すすすすすすすすみません！ちょっと知り合いに毛利という方がいまして…いきなり名前を呼んだりしてすみませんでした！｣
と謝罪をするが、なぜか私の左手を持たれ
顔を赤く染めながらこちらを見ている毛利小五郎が近くにいた。
｢あの…？｣
｢ｺﾎﾝｯ…ご挨拶無しお恥ずかしい姿を見せてしまい失礼いたしました。私はここポアロの2階で毛利探偵事務所をやっております、毛利小五郎と申します。いやぁこんな素敵な日にこんなに素敵な女性に出会えるなんて…失礼ですがあなたのお名前も伺ってもよろしいですか？｣
と、まるで口説くかのようにサラサラと毛利小五郎は喋り名刺をくれた。
｢あ、毛利…小五郎さんですね。私は…えーと、降谷Aといいます｣
｢Aさん、なんて素敵な名前なんでしょう。ここで出会ったのもきっと何かの縁です。ぜひ私と｢私となんですか？｣
毛利小五郎のセリフに被せるように女性の声が聞こえ、そちらに目を向ければメガネをかけた美人な女性…妃英理さんじゃなかった、毛利英理さんがいた。しかし美人の怒った表情…怖すぎ
｢私も言いすぎたと思って連れ戻しにくれば、なあにが縁ですか。いい歳したおじさんが若い子にナンパなんてしちゃって恥ずかしいったらありゃしないわ。ごめんなさい、うちの主人がせっかくのお時間無駄にさせてしまって。｣
｢いえいえ、そんな大丈夫です｣
｢マスターも毎度毎度お世話になってしまってすみません。お代はこちらに置いておきますね。ほら、あなた帰るわよ｣
｢ｲﾀﾀﾀﾀﾀｯ耳を引っ張るな！大体お前は！｣
ﾊﾟﾀﾝと扉が閉まれば、喧嘩の声も聞こえなくなり
また静かな空間が喫茶店内に戻った。
｢お互いああ言い合ってるんですがね、毛利さんのところはラブラブなんですよ｣
と、微笑ましそうにマスターが言うもので私もつられて笑ってしまう。
｢ふふっ私もそう見えました｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 428人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ワカ(プロフ) - あの･･･128の次が130になってます (2020年4月23日 20時) (
レス) id: 709076fccc (このIDを非表示/違反報告)
たーちゃん - とても、おもしろかったです。これからも、頑張ってください！ (2020年3月16日 19時) (レス) id: 66fad934a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アプリコット | 作成日時：2019年5月7日 2時
