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腹黒いオーラを放つ笑顔で近づいてくる安室さんに
思わず後ずさりすると、後ろに側溝があったらしくバランスを崩した
「うわぁっ!?」
「危ない!!!!」
間一髪のところで、安室さんが手を掴んでくれ倒れずに済んだ
「ナイス〜ありがとうございます」
「…はぁ、本当に…目が離せませんね」
「? 何か言いましたか?」
じーっとアイスブルーの目を見ると、プイッと顔を背けられてしまった。
「なんでもないですよ。とりあえず、車に乗りましょう」
私の返事を聞かぬ間に、両脇に抱えていた荷物はいつの間にか安室さんの手にあった。
私の拒否権はないということかな…大人しくついて行くとしよう
「わかりました…」
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久しぶりに安室さんカーに乗るせいか、ソワソワする。
横目で運転する安室さんを盗み見ると、目がバチッとあい、思わず窓の外に目を移す。
普段はお互い他愛もない会話をするが、今日はなぜか安室さんが黙りしており、会話がなかなか続かない。
まぁ、原因はきっと私なんだけどね〜〜
というか、どこに向かってるんだろ
窓の外の街並みを見ていると、毛利探偵事務所というデカデカとした文字を遠くに発見した。
「あっ!」
自分でも驚くほど声に出してしまった
「何かありましたか?」
「ちょっと気になるものが…」
「立ち寄りましょうか?」
「いいえ、大丈夫です」
毛利探偵事務所の横を通ると、その下にポアロと赤文字で書かれた文字も目に入る
この世界の進みは今一体どのくらいなのだろう…。
ライは組織から抜け出したのかな?
でもライが組織を裏切る時は…それは
この世界で親友である、明美の死
顔を運転席に向けると
目の前には安室さんの顔があり、一瞬思考が止まる
「・・・。うわっ!顔、近いです」
「あぁ、すみません。あまりにも百面相しだすのでどうしたのかと」
クスクス笑う安室さんはいつも通りであり、さっきまで黙りだった彼とは違った。
「もぉ…って、ここは?」
顔を上げると、いつの間にか閑静な住宅街の中にいた。
「さ、降りてください」
「? はい…」
車を小さなコインパーキングに停め、どこに向かうのか、ここがどこなのかすら分からないまま、安室さんの後について行った。
しばらく歩くと、安室さんはある建物の前でピタッと立ち止まり、私は横に並んで、上を見上げる
「メイソン…モクバ?」
白の壁に MAISON MOKUBA と英語で書かれた、7階くらいのマンションが目の前にあった
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ワカ(プロフ) - あの・・・128の次が130になってます (2020年4月23日 20時) (レス) id: 709076fccc (このIDを非表示/違反報告)
たーちゃん - とても、おもしろかったです。これからも、頑張ってください! (2020年3月16日 19時) (レス) id: 66fad934a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アプリコット | 作成日時:2019年5月7日 2時