期待させないで下さい。。。【 名前変換オリジナル 】

＃１１ ページ12

…







『A!!それを、恋ってゆーの。分かる？』







亜優にそう言われてから、本当に浅野先生の事を意識しちゃうようになった。







休み時間に会える度、話せる度に凄く嬉しい…。







自分の気持ちに、嘘はつけないみたいです。







…そんなこんなで、ある日の理科の授業中のこと。







実験で席を立っていると、いつの間にか私の席に浅野先生が座っていた。







先生は、私のプリントを持ち上げる。目線は、名前の欄にあった。







「春田…、春田ってさ、名前なんてよむの？」







浅野先生にそう聞かれたから、答えた。







「Aってよみまーす。」







「Aねー、よーし覚えた。」







先生に呼ばれたその名前。







名前を呼ばれて、こんなにドキドキしたのは初めてかもしれない。







「先生、私のプリントで遊ばないでくださいよ。」







ドキドキしてたのもつかの間。







ファイルに挟むために開けられた穴から、目を覗かせて遊ぶ浅野先生。







「ふっふーん。Aはさっさと実験を終わらせることだな!!」







「はっはっはー。」と、謎の声を上げる先生。









…









この日から、先生の口から「春田」という言葉を聞くことはなくなった。







その代わり…先生の口から聞くようになった言葉。







「…A。」








…先生は、私の事を名前で呼ぶようになった。







他の子は、みんな苗字呼び。







私だけの特権に、頬がゆるんだ。







…

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