♪リクエスト制 鬼滅の刃 曲パロ♪

続き ページ8

「このこと、秘密だからね」

「…んでだよ」


伊之助は不貞腐れたようにそっぽを向いて、低い声で呟く
こう見えて実は私のことを心配しているんだろう。伊之助は知っていたからだ


私がもう帰らなきゃいけないこと、善逸のが好きな人だということ


「伊之助、ばいばい」

「…またなって言うんだぞ、しのぶが…言って…」


ぽろ、と伊之助の目から雫が溢れる

誰にもお別れは伝えていない。だから、きっと会えることもない


「善逸に、ごめんねって言っておいてね」


目頭が熱くなるのを感じながら、私は駅に向かって走って行った


●


「ねぇ、Aちゃんは？知らない？」


俺が変なこと言ったからかな。最近ずっと来ていないようだった
伊之助はぼすっと猪頭を被ると、ぼそっと呟く


「あいつが、ごめんねって言ってたぜ」


＿あぁ…そうか。俺、振られたんだな

本気だったが故に、悲しさが一気に喉元から競上げてくる。
自惚れてた。Aちゃんと少し仲が良かっただけで


「…お前のこと好きって、言ってた
けどもう、一緒に居られねぇからって」


「＿＿は？」


俺は思わず伊之助の被り物を取っていた。ぐっと顔を覗き込む

赤く擦れた目元に違和感がある。本人はただぽかんと、俺を見ていた


「じゃあ、じゃあ！もう…居ないの、？」


「…居るわけねぇじゃん」


俺ばかだ
全部分かってたつもりだったのに、全然分かってなかった

一心不乱に外へと駆け出していく。まだ、間に合うよねAちゃん

なんで言ってくれなかったんだろ…いや、なんで気付けなかったんだろ


俺が逢いに行くからさ

今度は絶対、離さないから…


俺の所に、帰って来てよ…

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