【ヒロアカ】雄英に入ったけど、まさかの個性ダダかぶりだった件【轟焦凍】 (ページ4)

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＿＿＿＿轟side ページ4

いきなり話しかけてきたこの女。
氷咲？……なんだっけか。

どうせコイツも今までのヤツと同じだ。
俺がNo.2ヒーローのエンデヴァーの息子だからって食いついてきたんだろ。

しかし、おかしい。

初対面にしては自分でも酷いことしたと思ったが、思いっきり睨んでもコイツはバツが悪そうな顔をして苦笑いをする。

……なんだコイツ。

それがこいつに対する第一印象。
もちろん俺は、こいつが数ヶ月後、俺と××という関係になるなんて今の俺には知る由もなかった話だった。

散々コイツは悩んだ挙句、｢綺麗な目ですね｣だと言い出した。は？

普通なら、気持ち悪く感じるところだろう。
でも、あまり他人から褒められたりする経験が無い俺には充分の出来事だった。

『……っ！』

｢あれ？もしかして照れてる？｣

｢うるせぇ｣

頬が少し紅潮していくのがわかる。

素直に嬉しかったんだ。
他人に褒められたこと。
お母さんと同じ目とアイツと同じ目を褒めてくれたこと。

みんな俺の特徴的な髪の話ばかりするが、目の話をしてくるやつなんて初めてだった。

まさか、初対面の奴に感謝の気持ちを覚えるなんてな。実際、信じられない。

『俺は、轟焦凍だ』

彼女は驚いた顔をする。

何故なのか耳を少し澄ましてみると、ブツブツと｢名前、教えてくれた……｣と呟いている。

面白ぇ奴だな。そりゃ名前ぐらい言う。
クラスメイトなんだから。

｢あ！笑ってる！｣

『は、嘘だろ』

｢ホントだよ！｣

ほれ、と差し出された手鏡を覗くと微かに口端を上げる俺の顔が映っていた。

俺は気付かぬうちに、こいつと話すのが楽しかったらしい。