『狐さんが明かしてくれた日』 ページ9
東京の大学に合格した俺は、明日から向こうで一人暮らしする事になっとる。
ばぁちゃんここに1人にすんのも心配やけど、ばぁちゃんは俺がやりたいことやってくれって言ってくれた。
せやから、今日がここに残る最後の日。
｢なんだい信介。まだ起きてたのかい？｣
｢…寝られへんやろ｣
｢……それもそうだねぇ。明日から信介はここにはいないんだからね｣
｢夏には会いに来るわ｣
狐さんの表情が悲しげになっとる。なんで、そんな顔すんねん。
｢……信介と会えるの、今日が最後かもしれんなぁ｣
｢…なんでそう思うん？｣
狐さんは、初めて自分のことを俺に明かしてくれた。
｢あんたのばぁちゃんもな、ちょうど信介位の頃、私の姿が見えとったんよ｣
そんな話、ばぁちゃんから聞いたこと無かったわ。
｢…ある日な、急に私のこと見えなくなっちゃったらしいのよ。
目の前にいるのに何回も名前呼ばれて…
ここに居るのよ、って何度も言ったわ。
それでも声は届かなかった。
時間が経つにつれて、私は忘れられたわ。私は忘れられる存在だから……
だから信介には名前を教えてないの｣
忘れられるくらいなら、教えない方が悲しくない。
狐さんはそう言った。
俺は、ただただ単純に思ってしもうた。
神様に言うていい言葉やないと思うけど。
｢狐さんは馬鹿なんな｣
狐さんは目を見開いて驚いていた。
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夢泥棒@むいが可愛すぎた…(プロフ) - 彼岸桜さん» 無一郎君です!大好きすぎて…お久しぶりです!! (2019年11月14日 2時) (
レス) id: 6104712287 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜(プロフ) - 夢泥棒@むいが可愛すぎた…さん» お久しぶりです夢泥棒さん！急に思いついた作品なんですが、そう言って貰えて嬉しいです！ところで｢むい｣は無一郎くんの事ですか？？ (2019年11月13日 23時) (レス) id: 3aa4f94975 (このIDを非表示/違反報告)
夢泥棒@むいが可愛すぎた…(プロフ) - こんな短編で、こんなに良い話が書けるのが凄いです!!面白かったです!! (2019年11月13日 16時) (レス) id: 6104712287 (このIDを非表示/違反報告)
チロルチョコ - 北さぁぁぁんっ！ (2019年11月13日 13時) (レス) id: 03d659cd41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸桜 | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2019年11月13日 8時
