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シェアハウスに到着すると、モトキ君はそそくさとリビングから姿を消して自室に戻っていった。


シルク君やマサイ君やンダホ君は制服のままソファーに持たれかかり、ぺけたん君は丁寧に制服をハンガーに掛けている。


ザカオ君は……昨日と同様、真剣な面持ちでスマートフォンを触っていた。


そしてダーマ君は……何をしているのだろうか。 何やらノートのようなものに真剣に向かっている様子が伺える。


「ダーマ君、何してるの?」


私がダーマ君に声をかけると、ダーマ君は凄い勢いで書いていたノートを閉じた。その衝撃により、ダーマ君が使っていたのであろうペンが私の足下に転がってくる。


ダーマ君はそのペンをまるで何かを奪うかのように素早く取ると、一言「なんでもない」と呟き、モトキ君と同様リビングから姿を消して自室に向かっていった。


「なんだったんだろ」


私が独り言を呟くと、いつからいたのか分からないマサイ君が私の肩にポンと手を置いてくる。


「今はあんまり触れない方がいいよ。いつか分かる……あいつもあいつなりに努力してるんだってこと」


マサイ君が何やら意味深な言葉を吐いてくるので、思わず不安が顔に出てしまった。


そんな私を見て、マサイ君は優しく微笑みながら頭を撫でてくる。


「優しいんだね、マサイ君は」


私はマサイ君にしか聞こえないぐらいの声量で呟いた。


「へ?」


マサイ君はまるで、私が吐いた言葉が予想外だったかのような反応をとる。


「みんなのこと、よく見てる。ダーマ君のことだって、ザカオ君のことだって、他のみんなのことも……私のことも」


私はそう言って微笑んだ。


マサイ君は私のそんな言葉を聞き、私の顔を見て少々考え込むかのような表情をする。


そして、その真剣な表情は刹那__まるで私を嘲笑うかのような表情に変わった。

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ヒカリ - この作品みてて後々きずいたんですけど「あたしのあーる」ですよね?間違ってたらごめんなさい (2018年8月20日 15時) (レス) id: 9436d6040f (このIDを非表示/違反報告)
夘月(プロフ) - Flowerさん» コメントありがとうございます! 好きと言われてとても光栄に思います(*^^*) 続きが気になりますか……! 更新頑張りますね(*^^*) ありがとうございます! これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年6月14日 16時) (レス) id: 362c230e82 (このIDを非表示/違反報告)
Flower(プロフ) - 初コメ失礼いたします!この作品めちゃくちゃ好きです……なんか、こう…先が気になるぅ、みたいな(語彙力)これからも応援しております笑 コメント失礼しました! (2018年6月14日 10時) (レス) id: 0fb1b62cfe (このIDを非表示/違反報告)
夘月(プロフ) - 莉夏さん» コメントありがとうございます! 大好きと言ってくださるのは此方のモチベーションにも繋がります! ありがとうございます(*^^*) これからも応援よろしくお願いしますm(_ _)m (2018年5月1日 18時) (レス) id: 362c230e82 (このIDを非表示/違反報告)
夘月(プロフ) - #よもぎもちさん» コメントありがとうございます! 続きが気になると言ってくださるのは何よりです(*^^*) 自分のペースで徐々に更新していけたらなと思っている所存です! これからも応援よろしくお願いします(*_ _) (2018年5月1日 18時) (レス) id: 362c230e82 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夘月 | 作成日時:2018年3月8日 14時

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