25 ページ25
あっという間に日が暮れて、窓から見える夜空一面に綺麗な星々が咲き誇っていた。
「綺麗でしょ？ ここから見える星空」
私が窓の外を眺めていると、ンダホさんが声をかけてきた。
ンダホさんが言う通り、ここから見える空は本当に綺麗だ。 見ていて心が洗われる。
「綺麗ですね」
私がそう返すと、ンダホさんはこの星々にも負けないほどの輝いた笑顔を見せてくれた。
しかし、その笑顔はすぐに失われ、次にンダホさんは夜空のような暗い表情を見せた。
「A、マサイと仲良いね」
確かに、ここに来て私が一番接することが多いのはマサイ君だ。
だが、だからと言って別に意識をしている訳ではなかった。それに、マサイ君の方が本当に私と仲良くしたいと思っているのかを疑うような出来事も先程あったばかりなわけで。
「そうですかね？」
あえて答えを濁しつつ返答すると、ンダホさんは私の腕を掴んだ。
強い力で握ってくるので、少しだけ痛い。
「マサイとだけ仲良さそうに喋って、タメ口だし呼び捨てだし、裏で俺の悪口とか言ってたんじゃないの？」
ンダホさんは酷く怒っているようだった。
だが、私とマサイ君は決して悪口など言っていない。
というか、ただ仲良くしていただけで悪口を言っていたのではないかという発想が更々可笑しい。
「そんなわけないじゃないですか」
落ち着いて、決して興奮することなく、ンダホさんの言葉を否定する。
しかし、ンダホさんはまだ収まることを知らなかった。
「嘘でしょ？ 絶対悪口言ってたよね？ みんなそうだよ、盛り上がるときって悪口を言ってるんだよ。女の子なんて特にそう＿＿＿＿＿＿」
ンダホさんが思ってることを言い切ろうとしたそのときだった。
「＿＿＿＿＿＿ダホ、落ち着け」
シルクさんが、ンダホさんを止めた。
興奮し切ったンダホさんはシルクさんに止められた瞬間、私の腕を掴んでいた手を離し、涙を流した。
「ンダホさん……」
私が勝手に誤解されただけで、私は何も悪くない。なのに、何故か罪悪感が湧いてくるのは何故だろうか。
「A、悪いけどちょっとここから離れてもらってもいい？」
シルクさんに言われ、一つ頷くと私は黙ってその場を離れ自室に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 334人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヒカリ - この作品みてて後々きずいたんですけど「あたしのあーる」ですよね？間違ってたらごめんなさい (2018年8月20日 15時) (
レス) id: 9436d6040f (このIDを非表示/違反報告)
夘月(プロフ) - Flowerさん» コメントありがとうございます！ 好きと言われてとても光栄に思います(*^^*) 続きが気になりますか……！ 更新頑張りますね(*^^*) ありがとうございます！ これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年6月14日 16時) (レス) id: 362c230e82 (このIDを非表示/違反報告)
Flower(プロフ) - 初コメ失礼いたします！この作品めちゃくちゃ好きです……なんか、こう…先が気になるぅ、みたいな(語彙力)これからも応援しております笑 コメント失礼しました！ (2018年6月14日 10時) (レス) id: 0fb1b62cfe (このIDを非表示/違反報告)
夘月(プロフ) - 莉夏さん» コメントありがとうございます！ 大好きと言ってくださるのは此方のモチベーションにも繋がります！ ありがとうございます(*^^*) これからも応援よろしくお願いしますm(_ _)m (2018年5月1日 18時) (レス) id: 362c230e82 (このIDを非表示/違反報告)
夘月(プロフ) - #よもぎもちさん» コメントありがとうございます！ 続きが気になると言ってくださるのは何よりです(*^^*) 自分のペースで徐々に更新していけたらなと思っている所存です！ これからも応援よろしくお願いします(*_ _) (2018年5月1日 18時) (レス) id: 362c230e82 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夘月 | 作成日時：2018年3月8日 14時
